自転車保険義務化へ 千葉県方針 事故多発も加入率6割 12月議会にも提出

自転車保険の加入促進に向け、県は条例を改正し保険加入を義務化する方針を固めた=千葉市中央区
自転車保険の加入促進に向け、県は条例を改正し保険加入を義務化する方針を固めた=千葉市中央区

 自転車で事故を起こし高額な賠償を命じられる事例が全国で相次いだことを受け、県は、自転車保険への加入を義務化する方針を決めた。2017年4月に自転車条例を施行し、加入を「努力義務」としていたが、加入率は約6割で頭打ちの状態だった。県内では自転車による重傷事故が毎年約20~30件発生。新型コロナ対策で自転車の利用が広がり、さらに事故が増える懸念もある。県は早ければ12月議会にも条例改正案を提出する。

 自転車保険は、自転車に乗った小学生が歩行者と衝突して大けがを負わせ、裁判所が保護者に約9500万円の賠償を命じた事故などをきっかけに全国で加入が促進されている。

 県が実施したウェブ調査によると、2015年度に30・0%だった保険加入率は、加入を努力義務とした同条例施行後の18年度には59・4%に上昇。だが、19年度は51・7%、20年度は60・5%と伸び悩む。県くらし安全推進課は「頭打ちの状態。さらなる促進が必要」とする。

 義務化の対象は、自転車利用者(未成年の場合は保護者)、自転車を利用する事業者、レンタルサイクル業者。自転車の販売店には保険の加入状況を客に確認し、未加入の場合は義務化を伝えることなどを努力義務として求める。罰則は設けない。義務化を促すため国が19年に示した「条例のひな型」に準拠した。

 同課によると、義務化の条例は今年4月時点で全国22都府県が施行済みで、県内では千葉市が同月に施行した。同市が実施したウェブ調査では、昨年6月に61・4%だった保険加入率は今年9月に80・9%まで上昇している。

 県内でも自転車と歩行者が衝突する事故は後を絶たない。県警交通総務課によると、自転車側がより過失の重い第1当事者になった人身事故は毎年約100~140件発生。今年は9月末現在で前年同期比12件増の76件あり、このうち重傷事故は21件に上る。2019年には死亡事故もあった。

 同課の担当者は「新型コロナ対策で密を避けるため、自転車が見直されている。利用者は増えているはずで、事故が懸念される」と指摘する。

 県は条例改正案に関する意見募集を10月31日まで実施している。県くらし安全推進課の担当者は「義務化で保険加入率を上げ、自転車を安全利用する環境を整えたい」と説明した。


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