八街事故後も…飲酒運転、摘発相次ぐ 上半期500件超え 千葉県警「氷山の一角」

児童5人が死傷した事故現場からレッカーで撤去されるトラック。運転手からは基準値を超えるアルコールが検出された=6月28日午後11時ごろ、八街市
児童5人が死傷した事故現場からレッカーで撤去されるトラック。運転手からは基準値を超えるアルコールが検出された=6月28日午後11時ごろ、八街市

 千葉県内で飲酒運転が後を絶たない。今年6月末時点の摘発件数は、昨年同期より83件(16・5%)多い586件に上る。八街市で下校途中の児童5人が死傷したトラック事故は、運転手から基準値を超えるアルコールが検出され、飲酒運転の疑いが発覚。幼い命が奪われ、社会を揺るがした悲惨な事故が起きたにも関わらず、その後も飲酒運転の摘発が相次ぐ。県警は「摘発は氷山の一角」としており、悲劇につながる飲酒運転の根絶に向け取り締まりを強化している。

 八街市の事故は6月28日午後3時25分ごろ発生した。大型トラックが電柱に衝突後、約40メートル先の道路脇の畑で停止。この間に交通ルールを守って一列で歩いていた市立朝陽小児童5人をはね、2人が死亡、3人が大けがを負った。容疑者の運転手は、事故前にコンビニで酒を買い、車内で飲んだとみられている。

 2人の尊い命が奪われ、飲酒運転に厳しい目が向けられたにも関わらず、県内では28日以降、飲酒運転が絡む事故が相次いでいる。事故後から7月6日までの9日間で、県警は道交法違反の酒気帯び運転容疑で4人、酒酔い運転容疑で3人を逮捕し発表。中には、事故現場から近い八街市で飲酒運転し、今回の事故と同様に電柱に衝突して発覚した事例もあった。

 一方で今年は、検問などによる飲酒運転の摘発が増加。県警によると、6月末現在、酒気帯び運転が505件(前年同期比23件増)、酒酔い運転は81件(同60件増)に上り、いずれも前年を上回っている。飲酒運転が絡んだ人身事故は5月末現在で41件(同13件減)発生している。

 県警交通指導課の斎藤仁志課長代理は「県内の飲酒運転事故はここ数年、高止まり状態。警察の危機感が高まり、取り締まりを強化したことが摘発増加の一因」と推測する。新型コロナウイルス禍で店で飲酒する機会は減ったが、自宅で飲み、車で酒を買い足しに行く途中で摘発されるケースも少なくないとみられる。

 検問や取り調べでドライバーに飲酒運転の頻度を問いただすと「初めてではない」という回答が多く、常習性も深刻な問題という。

 斎藤課長代理は「飲酒運転は絶対に許されない。今後も取り締まりを強化する」と強調。県民に対し「酒を飲んで運転しようとする人がいたら、家庭や職場で引き留めてほしい」と意識強化を呼び掛けた。


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