2020年11月20日 05:00 | 無料公開
アダルトビデオ(AV)の出演者の顔を芸能人とすり替えた動画「ディープフェイク」を視聴できるURLを管理するインターネットサイトに掲載し、芸能人の名誉を傷つけたとして、千葉県警と警視庁は19日までに、名誉毀損(きそん)の疑いでサイトの管理者の男3人を逮捕、送検した。掲載された芸能人は延べ215人で、インターネット上に投稿された動画を転載していたとみられる。
逮捕されたのはいずれも会社員の二又正行(46)=東京都港区白金6=と山口岳(33)=同世田谷区砧1=、ホテル従業員、窪謙太朗(23)=横浜市港北区鳥山町=の3容疑者。3人に共謀関係はないという。
県警サイバー犯罪対策課によると、3月に行ったサイバーパトロールで3人のサイトが見つかった。6月から同様に調べていた警視庁と合同捜査を開始した。
3人が管理していたのは「まとめサイト」と呼ばれるもので、延べ647本のディープフェイク動画が確認されたという。ウェブ広告収入としてそれぞれ50万~100万円程度得ていたとみられる。
3人の逮捕容疑は昨年12月以降、女性芸能人が性交しているように合成された動画のURLを自身のサイトに掲載。さらに芸能人の名前が分かるタイトルを記載するなどし、芸能人の名誉を毀損した疑い。
同課によると、二又容疑者は容疑を否認。他の2人は容疑を認め「サイトのアクセス数を増やし広告収入を得るためだった」などと供述しているという。
ディープフェイクを巡っては、県警と警視庁が9月、作成したとされる男2人を著作権法違反などの疑いで逮捕。インターネット上で9月末に約3500件の動画が確認されていたが、10月末には1800件に減少したという。