2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

成田・小倉美咲さん行方不明1年 無事信じ「抱きしめたい」 再会願う母、中傷にも耐え

リレーの選手として参加する運動会で小倉美咲さんが着るはずだった体操服を見つめる母のとも子さん=18日、成田市の自宅
リレーの選手として参加する運動会で小倉美咲さんが着るはずだった体操服を見つめる母のとも子さん=18日、成田市の自宅
小倉美咲さん(家族提供)
小倉美咲さん(家族提供)

 昨年9月に山梨県道志村のキャンプ場で、小学1年生だった成田市の小倉美咲さんが行方不明になり、21日で1年となる。母親のとも子さん(37)にとって、多くの人たちからの支援に励まされる一方、会員制交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷に耐える日々でもあった。とも子さんは「ママに会いたいと強い気持ちで頑張っているはず。一日も早く見つけて抱きしめたい」と娘の無事を信じ、再会を願い続けている。

 キャンプの後に控えていた運動会で、美咲さんはリレーの選手に選ばれていた。毎日、登校前には走り込みをして「絶対1位になる」と話す娘の姿に、とも子さんは頼もしさを感じていた。「ママ見ないで」と自室にこもり、長女(11)とダンス発表の練習に励む様子は愛らしかった。

 今年4月、有力な手掛かりがないまま美咲さんは2年生になった。ベージュのランドセルは「半年しか使っていなくてピカピカ」。5月には8歳の誕生日を迎えた。毎年、姉と一緒にスタジオで記念写真を撮っていたが、今年は自宅の壁中に貼られた家族写真は増えなかった。

 せめて、美咲さんの誕生日をお祝いしようと、赤飯を炊いて応援してくれる人や出身の保育園に配り「美咲のことを忘れないでね」という気持ちを込めた。

 この1年は、自宅とキャンプ場を行き来しながら、地元の成田山参道や東京都内で情報提供を呼び掛けるチラシを配布してきた。知人や親戚だけでなく、全国の人たちが手助けしてくれた。新型コロナウイルスの活動自粛の影響もあったが、100人程の協力で55万枚以上のチラシを配ることができた。「見ず知らずの方が一生懸命やってくれた」と感謝している。

 SNSで情報発信する度に、数え切れない程の誹謗中傷も受けた。「助からないと思う」。美咲さんへの非情な言葉も何度も目にし「娘を侮辱するような言葉だけは許せない」と憤る。

 8月には、とも子さんに「殺しに行くぞ」とメッセージを送った男が脅迫容疑で逮捕された。脅迫は昨年10月から今年2月にあり、長女が不登校となった時期と重なった。2人きりで自宅にいるときは「本当に来ると思い、怖かった」。一方、SNS上の中傷に苦しみ亡くなった娘を持つ親からの「(美咲さんは)戻ってくるから全面的に協力します」との言葉には励まされた。

 行方不明から1年たっても、多くの人が美咲さんの帰りを待ち望んでいる。クラスメートは朝の点呼で、美咲さんの名前が呼ばれると「待ってるよ」と声をそろえる。「美咲ちゃんママ。早く戻って来るといいね」と明るく元気づけてくれた同級生もいた。長女も今では学校に通い「美咲が戻ったらディズニーランドに行きたい」と話している。

 「現場でこれだけ探していないなら、別の場所にいるのでは」という思いも強くなってきた。7月に開設したホームページなどに情報が寄せられる度に一喜一憂する。それでも「間違っていても良いから情報提供してほしい」と呼び掛ける。

 「まずは無事に戻って来てほしい。そうすれば、どうにでもできる」。どこかで頑張っている娘を「待っているみんなのところに早く行かせてあげたい」と力を込める。今年もまた、小学校の運動会が数日後に迫っている。美咲さんが友達と一緒に参加できるように強く願っている。


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