2020年9月20日 05:00 | 無料公開
総務省消防庁のホームページで公開されている「通電火災」への注意を呼び掛ける動画の一場面
台風や豪雨による停電からの復旧後、テレビや照明器具といった電気機器からの漏電が原因で「通電火災」が起きることがあり、総務省消防庁が注意を呼び掛けている。昨年の房総半島台風(台風15号)により千葉県内で発生した広域停電の際も、通電火災とみられる火災が数件起きた。各地の消防は「電気が復旧しても、漏電が疑われる機器は使わないで」と訴えている。
昨年9月、千葉市で停電復旧後に木造2階建ての住宅が全焼し、住民の80代男性が逃げる際にけがを負った。避難先から帰宅し、ブレーカーを入れた数時間後の出来事だった。市消防局によると、壁内部の電気配線からの漏電だった可能性があるという。
住宅が激しい風雨や浸水被害にさらされると、屋内配線や電気機器、電気コードなどが、ぬれたり損傷したりする場合がある。停電のため気が付かず、こうした状態のまま通電を再開すると、漏電箇所から発火して火災が起きる恐れがある。
消防庁は、停電後に自宅を離れる際は、まずブレーカーを落とし、電気機器の電源プラグをコンセントから抜くよう要請。通電を再開する際は煙などの発生に注意し、異常があれば速やかに消防機関に通報するよう呼び掛けている。
特に、いったん水にぬれた電気機器は要注意だ。各地の消防は「もし機器が使用できたとしても、どこかで漏電している可能性がある。使わずにメーカーなどへ相談してほしい」としている。