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虐待の障害者施設廃止へ 県、入所者民間受け入れ条件 袖ケ浦の養育園・更生園

虐待があった県立福祉施設養育園で家宅捜索を行う県警捜査員=2013年12月14日
虐待があった県立福祉施設養育園で家宅捜索を行う県警捜査員=2013年12月14日

 2013年に入所者男性=当時(19)=の死亡事件が起きるなど職員による虐待行為が発覚した袖ケ浦市内の県立知的障害者福祉施設、袖ケ浦福祉センター「養育園」と「更生園」について、県は31日、全入所者を民間施設で分散して受け入れることを条件に、23年3月末までに廃止する方針を表明した。「きめ細かなケア」に向け、民間への補助を拡充。本人側の意向に沿う受け入れ先を調整する会議も設ける。2園には13~76歳の67人が入所中。家族の不安も解消して移行を完了できるのかが焦点だ。

 県によると、同センターは1966年に設立。民間では支援が困難だった重い障害のある人を県内各地から受け入れてきた。「更生園」は成人、「養育園」は主に未成年が対象。しかし、2013年に養育園で当時19歳の入所者が職員の暴行を受けて死亡。県はセンター関係の施設で04年以降、23人が職員15人から虐待を受けたと確認し、13年末に新規受け入れを止めた。

 第三者検証委員会(14年)、見直し進捗(しんちょく)管理委(14~18年)などから、集団生活が困難な「強度行動障害」の人にも集団生活を続けさせる矛盾などを指摘され、地域の小規模施設への移行を模索。

 民間施設の運営者や家族団体、弁護士らも交えた在り方の検討会議(18~19年)の意見も踏まえ、今回の対応を決めたという。

 2園の入所者は今年8月1日現在、更生園が27~76歳の53人(平均46歳)、養育園が13~28歳の14人(平均16歳)。昨年度までの2年間に25人程度を民間施設が受け入れた結果で、来年度にかけてさらに20人程度を民間が受け入れ可能という。ただ、今の入所者の入所期間は更生園が平均19年で、最長49年。養育園でも平均8年、最長17年となっており、今回の方針の説明を受けた家族からも、民間受け入れが進むのか、不安の声が出ているという。

 県は、市町村とも連携しながら、障害の特性に合わせて必要な支援を判断し、受け入れ先を調整するため、有識者や医療関係者らも交えた「暮らしの場支援会議」を11月に設置予定。受け入れ後の再調整も担う。

 民間事業者による施設改修や小規模なグループホームの新設、支援人員の追加配置に対する新たな独自補助制度も創設する考えだ。

 50年超に及んだ県立施設の廃止にかじを切る県担当者は「今後の2年半でより良い環境を用意し、納得してもらうため、最大限の努力をする」と説明。同センターを運営するために設立され、今も指定管理者となっている「千葉県社会福祉事業団」の職員(正規だけで約100人)の民間再就職もサポートする考え。


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