房総通リズム春の観光特集2024

目覚めると「地獄絵図」 迫る炎、父救えず無念 7歳、広島で被爆、重田忠治さん(82)=千葉市緑区= 【戦後75年 千葉 記憶を令和に】(2)

 「平和の尊さを身をもって感じた75年だった。原爆の悲劇を二度と繰り返してはならない」。県庁で開催された原爆パネル展で、生まれて初めて自身の被爆体験と平和への思いを口にした。登壇したのは、くしくも故郷の広島に原爆が落とされたのと同じ8月6日。7歳の少年が目にしたのは「地獄絵図」だった。

(報道部・安西李姫)

 75年前の8月6日も天気の良い日だった。親戚の家に出かけようと、化粧をする母の背中にぴったりと寄り添って甘えていた時「突然目の前に閃光(せんこう)が走り、熱線の渦とともに強烈な爆風が吹いた」。

 自宅は爆心地から約1・5キロ。瞬間的に意識を失い目を覚ますと、全壊した家の下敷きに。「忠治、早 ・・・

【残り 1046文字、写真 1 枚】



  • LINEで送る