児相所長2人文書訓告 野田虐待死 千葉県、懲戒にせず

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が昨年1月、父親の勇一郎被告(42)=傷害致死罪などで起訴=から虐待を受けて死亡した事件で、県は27日、心愛さんを一時保護していた千葉県柏児童相談所の前所長の男性(57)と現所長の男性(57)を懲戒処分ではない文書訓告にした。森田健作知事名で対応改善を求める内容。県関係者の処分はこれだけで終了する。

 野田市と同市教委は、父親からの暴力を訴えた心愛さんのアンケートの写しを市教委職員が父親に渡した行為が地方公務員法や市個人情報保護条例に反するなどと判断し、担当職員ら計12人を懲戒処分(停職、減給、戒告)とし、市長らは給与減額。処分の重さの違いが浮き彫りになった。

 県によると、前所長(2018年3月まで在任、現在は別の児相所長)は一時保護解除などの判断を、現所長(18年4月から在任)は保護解除後の対応などを統括。「児相が関与しながら親の虐待行為を防げずに死亡事件に至り、児童虐待防止の専門機関としての信頼を損なった」のが処分理由という。

 県が設置した外部有識者の検証委員会は昨年11月にまとめた報告書で、一時保護解除後の安否確認の不徹底をはじめ、県の対応の不備も厳しく指摘。県総務課は「現場担当者ら他の職員にもさまざまな至らない対応があった」ものの、最終責任者として所長2人のみを処分すると説明。懲戒処分にしない理由は「総合的な判断」と繰り返した上で「県職員には明確な法令違反までは認められない」ことも判断要素と示唆した。


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