暫定配備「木更津最適」 オスプレイ、周辺で訓練も 防衛副大臣が地元要請

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木更津市の渡辺市長(右中央)ら市幹部に暫定配備について説明する原田副大臣=24日、同市役所
木更津市の渡辺市長(右中央)ら市幹部に暫定配備について説明する原田副大臣=24日、同市役所

 陸上自衛隊が南西諸島防衛強化のため導入する輸送機V22オスプレイを巡り、防衛省の原田憲治副大臣は24日、木更津市役所を訪れ、渡辺芳邦市長らに対し、来年3月から陸自木更津駐屯地(同市)に暫定配備したい考えを伝えた。周辺空域での操縦訓練を伴い、全機がそろえば同駐屯地の航空機発着は年4500回程度増える見込み。同省は恒久配備先はあくまで佐賀空港(佐賀市)との方針も強調したが、暫定配備期間は未定。渡辺市長は市議会や千葉県と協議した上で受け入れ可否を判断するとの立場を示した。

 防衛省が今回の暫定配備の要請で地元説明に訪れたのは初めて。併せて県にも同様の説明を行った。木更津駐屯地は日米オスプレイの整備拠点になっている。

 同省は、島嶼(とうしょ)防衛にあたる水陸機動団(長崎県佐世保市)を輸送するため、佐賀空港西側に駐屯地を開設し、陸自オスプレイを配備する計画で、佐賀県は昨年8月に受け入れを表明したが、地元漁協との調整が難航中だ。

 原田副大臣は木更津市に対し、恒久的な配備先を佐賀空港とする方針に変更はないと強調した上で、防衛即応態勢の維持には、木更津駐屯地に暫定的に配備する必要があると説明した。

 同駐屯地を選んだ理由として(1)運用に必要な滑走路(約1・5キロ)がある(2)導入予定の17機を配置する広さがある(3)既存配備機への影響が最小限(4)格納庫があり、運用基盤を整えやすい-の4点を挙げた。この4点を満たす基地のうち、同駐屯地は水陸機動団まで最も近く、無給油飛行ができ、最適と判断したという。

 同省は、市の了解を得て本年度末から暫定配備を始めたい考え。ただ、暫定配備期間は、佐賀での調整が続き「現時点で確定していない」とするにとどめた。

 駐屯地内でのホバリング(空中停止)訓練や周辺空域での操縦訓練、演習場での部隊訓練を行う想定で、同省は「市街地上空を避け、安全に十分に配慮したい」とし、原田副大臣は「市の理解と協力を得るため丁寧に説明していく。丁寧な説明なく暫定配備することは考えていない」と述べた。市民説明会なども開く考え。

 計画上、陸自に全17機がそろうのは2021年度末以降。この段階で全機が暫定配備されれば、木更津駐屯地全体の離着陸が1日平均15回、年間4500回程度増え、関連部隊の規模は約430人になる見込み。

◆意見聞き可否検討 市長詳細説明を要望

 防衛省の説明を受けた木更津市の渡辺市長は「市民の意見を聞き、市議会や千葉県と相談して受け入れの可否を検討したい」と回答し、具体的な訓練内容や安全性、市民生活への影響をさらに説明するよう求めた。

 渡辺市長は原田副大臣との会談の中で、本来の配備先は佐賀空港だとする同省の考えを改めて確認。市議会や市民に直接説明する場を設けることも要請した。

 暫定配備に関し、地元自治体に情報が伝わらない一方で、事前報道は相次いだことにも言及。「“市民の様子見”という形での(情報の)出し方なら大変失礼」と改めて不快感を示した。原田副大臣は「意図的に防衛省から情報を流した事実はない」と釈明した。

 県の石川徹総合企画部長も、県庁を訪れた同省担当者に、信頼が構築できなければ議論のテーブルにつけないと申し入れ。ドイツ出張中の森田健作知事は「地元説明がないまま報道が先行する事態が繰り返された経緯を踏まえ、防衛省に対し、信頼関係を築くための対応を求めた。速やかに、しっかりと対応してほしい」とのコメントを出した。

 会談後の臨時記者会見で渡辺市長は、安全性や市民生活への影響に加えて「暫定配備の期間(の長さ)は市民が理解する上でも大切な要素。明らかにしながら進めたい」と述べた。受け入れ可否の判断は、住民説明会などの状況も見た上で検討する。

 同省から説明を受けた市議会の近藤忍議長も、議会全体への説明を要望し、同省は応じる姿勢を示した。