夫「暴力受けた」情状訴え 検察、母との計画性指摘 柏の妻殺害遺棄

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弥谷鷹仁被告
弥谷鷹仁被告

 柏市の妻の遺体が夫の実家敷地内に埋められた事件で、殺人などの罪に問われた夫の弥谷鷹仁被告(37)は22日に開かれた千葉地裁の裁判員裁判で起訴内容を認め、弁護側が「妻から暴力を受け、逃れたかった」と情状酌量を求めた。母親の弥谷恵美被告(64)は殺人ほう助の罪について「殺すと思っておらず、なだめるため」と否定し、争う姿勢を示した。検察側は「鷹仁被告が本気で妻殺害を決意し、恵美被告も認識していた」と遺体を埋める穴を掘るなど犯行は計画的だったと指摘した。

 鷹仁被告は黒色スーツ姿でうつむきながら出廷し、昨年7月の送検時より頬がこけた様子。白色ワイシャツに黒色ズボンの恵美被告は顔色が悪く、認否について意見を求められた際に言葉を詰まらせる場面もあった。

 冒頭陳述で検察側は、鷹仁被告が精神疾患のあった妻、麻衣子さん=当時(30)=を排除しようと決意し、「被害者を殺害し穴に埋めて行方不明を装おうともくろみ、恵美被告と事前に穴を掘った上で殺害した」と指摘。恵美被告が遺棄場所として実家敷地を提案し、穴を掘るシャベルなどを用意したと述べ、母子による計画的犯行だったとした。

 一方、弁護側は冒頭陳述で、鷹仁被告は被害者から日常的に暴力や暴言を受け、うつ病などを発症したと説明。「1歳の子どもをベッドに投げつけることもあり、子どもや自身を守るには殺害しか思い付かなかった」と妻からの暴力や子どもへの危害から逃れるために殺害を決意したと、情状酌量を訴えた。

 恵美被告の弁護側は「殺害に反対したが鷹仁被告が聞く耳を持たず、話を聞き入る形でなだめようとした」と殺害の同意があったことを否定。

 「鷹仁被告は要求を聞くと落ち着いた様子になり、実際に行動をしても殺意を強めているとは思わなかった」と鷹仁被告が被害者を殺害することは絶対にないと考えており、ほう助の罪にはあたらないと主張した。

 検察側は鷹仁、恵美両被告が、被害者を殺害後に「麻衣子が出て行った」「きっと夜中に帰ってくる」と行方不明を装うためLINE(ライン)を送信し合っていたことも指摘した。

 第2回公判は27日に行われ、判決は6月12日に言い渡される予定。