金銭巡る凶行相次ぐ 罪と向き合い、真実を 若者による事件 【回顧2018取材メモから】(1)

全焼した海老原さん宅に手を合わせる男性=2月23日、印西市竜腹寺
全焼した海老原さん宅に手を合わせる男性=2月23日、印西市竜腹寺

 少年や家族による1人暮らしの女性や身内の殺害、千葉県北西部で続発した通り魔、大型トレーラー横転に巻き込まれ家族3人が死亡した交通事故…。2018年も県内で多くの事件・事故が発生した。担当した社会部記者が取材メモを振り返り、1年を回顧する。

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 印西市で起きた住宅火災は、火をつけられ、住人の女性が殺害される放火殺人事件だった。火災の9日後には、茂原市の住宅で高齢女性が殺害され金を奪われる強盗殺人事件が発生。印西の事件は20歳の男女3人が、茂原の事件は検察官送致(逆送)された17~18歳の少年3人が起訴された。2月、若者たちによる凄惨(せいさん)な事件が立て続けに起き、大きな衝撃を受けた。

 印西市竜腹寺で2月17日夕、木造平屋建て住宅約50平方メートルが全焼し、焼け跡からこの家に1人で住む海老原よし子さん(55)が遺体で見つかった。県警は翌18日、同市草深の金崎大雅被告ら20歳の男女3人=殺人と現住建造物等放火の罪で起訴=と、16歳の少女=不起訴=を逮捕した。

 捜査関係者によると、4人は事件前から海老原さん方に出入りし「金銭トラブルがあった」と供述。起訴状などによると、男女3人は室内にいた海老原さんに暴行し、服の上から灯油をまいて火をつけるなどして焼死させたとされる。

 海老原さんの気道内にはすすが付着し、火災発生時は生存していたとみられる。足が不自由だったといい、逃げたくても逃げられず、死が迫る恐怖と苦しみは、想像を絶する。

 茂原の事件はさらに耳を疑った。2月26日朝、茂原市東茂原2の住宅で住人の椎野芳子さん(85)が死亡しているのが見つかり、強盗殺人などの容疑で逮捕、起訴されたのが17~18歳の少年3人だったからだ。

 千葉家裁での審判や、起訴状などで明らかになった当日の様子は、次のようなものだ。

 3人は同日未明、無施錠の玄関から住宅に侵入。寝室に1人でいた椎野さんを床に押し倒し暴行を加え、調理用ナイフ(刃渡り約10・5センチ)を突き付け「金どこにある。言わないと殺すよ」と脅迫。現金1万2千円を強取したが、椎野さんが「(金は)腹の中にある」と答えたため、殺害したとされる。

 家裁は、18歳少年がナイフで首を3回突き刺し、別の18歳少年が現金1万円を奪ったと認定。17歳少年は暴行はしたが、殺害の共謀はしていないとした。3人が共謀して殺害し、1万2千円を奪ったとする起訴内容と異なる部分があり、今後の裁判で判断される。

 いずれの事件も若者たちが金銭を巡り、1人で自宅にいた女性の命を奪った。短絡的だと感じた。取り返しのつかないことをしてしまった若者たちは何を思うのか。凶行に至った背景に何があったのか。被害者や遺族にとっては、反省や償いはいくらあっても足りないであろう。若者たちにはせめて、裁判で真実を語り、罪と向き合ってほしい。

(年齢はすべて事件当時)

(社会部・伊藤義治)


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