被害夫婦が被告提訴 慰謝料など1200万円求め 印西睡眠剤混入

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 印西市瀬戸の老人ホームで2017年、職員の准看護師、波田野愛子被告(72)=殺人罪などに問われ控訴中=が同僚らに睡眠導入剤を混ぜた飲み物を飲ませ、交通事故などで男女6人を死傷させたとされる事件で、被害に遭った千葉市の70代夫婦が、被告に慰謝料など計約1200万円を求める訴訟を千葉地裁に起こしていたことが17日、代理人弁護士らへの取材で分かった。来年2月に第1回口頭弁論を予定している。

 訴状などによると、夫婦は昨年5月15日、老人ホームで被告に睡眠剤入りのお茶を飲まされた後、夫が運転する車で帰宅途中に佐倉市内で対向車に衝突する事故を起こした。夫婦は事故当時ほとんど意識がない状態で、妻があばら骨を6本折る重傷を負って入院するなど、損害を被ったとしている。

 また「飲んだ者が死亡、体に障害が出ると分かっていた」「正常な運転をできなくさせ、事故を起こさせた」などとして、被告の行為が殺人未遂に該当すると主張。妻は老人ホーム職員で、同2月半ばから施設で体調不良や意識障害を繰り返し訴えるようになり、睡眠剤入り飲み物を十数回飲まされたとしている。

 被告は殺人や殺人未遂などの罪に問われ、地裁が今月4日、睡眠剤を飲ませて運転させれば、あらゆる交通事故を起こす危険性が高いと認識していたと「未必の殺意」を認定し、懲役24年の判決を言い渡した。被告は「嫌がらせをしようとした。殺意はなかった」と主張し、判決を不服として控訴した。

 夫婦は法廷で証言し「不幸のどん底に突き落とされた」「人を助けるはずの医療従事者が命を奪おうとした」と被告を非難した。