KYB免震不正 千葉県内、民間建物28件 県、各市の種類は公表せず

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 油圧機器メーカーのKYBと子会社が地震の揺れを抑える免震・制振装置の性能検査記録データを改ざんしていた問題で、不適合の疑いがある免震装置の使用が判明した千葉県内の建物36件のうち、民間建物が28件あることが17日、県のまとめで分かった。建物は千葉など15市にあり、すでに公表している鎌ケ谷のほか市原など4市でも、市庁舎に装置が使われていることが判明。県は、自治体が運営する医療・福祉施設が2件あり、免震装置が計300~400基に上ることも明らかにしたが、自治体ごとの建物の種類数は明らかにしなかった。

 市原市は、2月に開庁したばかりの第1庁舎の免震装置のうちオイルダンパー4基が対象製品だった。小出譲治市長は「耐震性・安全性の信頼を損なうこととして遺憾」とコメントを出した。

 浦安市は、2016年6月に供用を開始した市庁舎にオイルダンパー40基が設置されていた。市財産管理課は「東日本大震災で甚大な被害を受けた本市としては、多くの市民が利用し、防災拠点となる市庁舎でこのような不正がなされたことに強い憤りを感じる」としている。他に該当する市有施設はなかった。

 17年5月に庁舎を建て替えた習志野市は、オイルダンパー8基の使用が判明。「改ざんされたものなら、建設会社を通じて適切な対応を求めていく」。市庁舎を建て替え中の市川は仮本庁舎で使用されているほか、新庁舎でも使用予定だったが建設前で装置は納入されていない。建物数は2件とカウントしている。

 県建築指導課は「県有施設では(不適合装置は)確認されていない」と話す一方で、自治体が運営する医療・福祉施設2件については「施設管理者が公表するものと考えている」とし、各自治体の判断に委ねた。可能な範囲で公表するよう要請しているという。

 また、建物がある自治体(不明2)と建物数、住宅など建物の種類・用途別の全体数は明らかにしたが、自治体ごとの建物種類数は公表しなかった。「数が少ない自治体は建物が特定される可能性がある」ことが理由で、国から現段階で、建物が特定されるような情報提供を避けるように求められているという。

 建物36件のうち民間建物は28件に上り、11件が大規模マンションなどの住宅。民間建物について同課は「国と調整し、所有者や管理者の同意を得られれば公表する」としている。どのように同意確認をするのかは未定。

 市川市は庁舎2件以外に、住宅4件と事務所1件の件数を公表。千葉市はこれまでに8件全てが民間建物であることを明らかにしているが、浦安市は民間建物を公表しない方針。