障害者就労「支援を」 水増し問題、批判も 千葉市で全国盲ろう者大会

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盲ろう者として就労の苦労を語った(左から)今本さん、峰岸さん、大杉さん=1日、千葉市美浜区の幕張メッセ
盲ろう者として就労の苦労を語った(左から)今本さん、峰岸さん、大杉さん=1日、千葉市美浜区の幕張メッセ

 中央省庁や自治体などで障害者雇用数の水増しが問題となる中、千葉市美浜区の幕張メッセで開催中の「全国盲ろう者大会」で1日、盲ろう者の就労をテーマに分科会が開かれた。パネリストとして盲ろう者が登壇。「職業訓練を受けるのも大変」などと厳しい現状を訴え、社会や企業で盲ろう者の就労への理解が深まり、雇用が増えるよう求めた。また、会場では次々と明らかとなる水増し問題を批判する声が聞かれた。

 同日の大会には盲ろう者や介助者約850人が出席。就労やスポーツなど五つのテーマで分科会が開かれた。

 就労の分科会には、盲ろう者3人が登壇。広島盲ろう者友の会の大杉勝則理事長(56)は「最も不便だと感じるのは通勤」とし、各都道府県の通訳や介助の制度では「買い物や出掛ける際のサポートは受けられるが、通勤には適用されない」と指摘。通勤で介助を求める場合は自費という。「障害者が働きやすくなるためには行政や企業のサポートがもっと必要」と呼び掛けた。

 鳥取盲ろう者友の会の今本由紀副会長(46)は、事務仕事に就こうと受講した「障害者向けパソコン教室」での自身の苦労話を披露。盲ろう者は今本さんだけで、ノートを取るために多くの受講者に助けてもらい、自費で個人レッスンも受けて、ようやく技能習得にこぎ着けたという。「盲ろう者向け職業訓練の機会を得ることさえ難しい」と厳しい現状を訴えた。

 東京盲ろう者友の会の峰岸夏美さん(55)は民間企業に障害者として雇用されていたが、「視力が徐々に落ちて不安だった」と振り返った。

 分科会の司会を務めた高知盲ろう者友の会の高橋万里さん(65)は分科会後の取材で、障害者雇用水増し問題を批判。「働きたいと思っている障害者は多い。行政は就労しやすい環境づくりを率先すべき」と強く求めた。

 同大会は8月31日から開かれており、最終日となるきょう2日は、二つの分科会などを通して議論を深める。

◇盲ろう者 視覚と聴覚の重複障害者。全国盲ろう者協会の2012年度の調査では、全国に少なくとも1万4千人いることが確認されている。見え方や聞こえ方の程度により「全盲ろう」「弱視ろう」「盲難聴」「弱視難聴」の四つのタイプに分けられる。