架空伝票で発覚逃れ 金庫に現金入り袋偽装も 松戸のJA職員着服

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記者会見するJAとうかつ中央の秋元・経営管理委員会会長(左)と小倉・代表理事理事長=22日、松戸市
記者会見するJAとうかつ中央の秋元・経営管理委員会会長(左)と小倉・代表理事理事長=22日、松戸市
女性係長が現金が入っているように偽装した紙袋
女性係長が現金が入っているように偽装した紙袋

 JAとうかつ中央(とうかつ中央農協、本店・松戸市上本郷)松戸南支店の女性係長(53)が9633万円を着服した問題で、JAの秋元篤司経営管理委員会会長と小倉忠勝代表理事理事長が22日、記者会見し、女性係長は「私が取った」と認めていると述べ、架空の伝票を作成して発覚を逃れていた手口を明らかにした。秋元氏らは「徹底した発生原因の検証を行い、再発防止に万全を期す」と述べ、謝罪。着服した現金の使い道や、返金などについては女性から聞き取れていないという。

 JAによると、女性係長は昨年7月ごろから約1年間にわたり同支店金庫内の現金を着服したと認めている。被害額は確認されただけで9633万円に上る。2014年4月から支店の出納事務を担当。ベテランで事務に精通し同僚から頼りにされる存在だったという。

 同支店は約1億4千万円の現金を保管。出納担当者の女性係長と出納管理者の40代の男性副支店長が毎日午後3時以降、2人で現金を確認することが内部規定で決められているが、適正に運用されていなかった。

 女性係長は着服後、架空の出金のための伝票を判明しているだけで12回作成し、つじつまを合わせていた。休みの際は代役の職員に見つからないよう、紙幣と同じ大きさの紙の束を入れた袋を現金入りの袋と偽装し金庫に納めていた。

 着服は12日に行われた抜き打ちの監査で発覚。金庫内の現金は1億4千万円から4800万円に減っていた。書類上はつじつまが合っていたが監査部が疑問を持ち、18日の調査で女性係長が着服を認めた。

 JAは22日、松戸市内で通常総代会を開き、女性係長が現金を着服した事実を急きょ報告事項に追加。組合員からは「現金が弁済されないと決算に影響する。役員の責任は」などと追及されたという。

 JAは、役員の管理監督責任について第三者を含めた役員責任調査委員会で協議。女性係長と副支店長については懲戒委員会の決定に基づき処分する。また、近く松戸署に被害届を提出する方針。

 JAとうかつ中央は08年、松戸市、千葉小金、流山市の各農協が合併して設立。組合員数は正組合員、准組合員の合計で16年度2万1261人。