多古町を書類送検 無許可業者に汚泥処理委託 千葉県警

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多古町の畑に不法投棄された汚泥(千葉県警提供)
多古町の畑に不法投棄された汚泥(千葉県警提供)
委託業者が不法投棄を行ったことについて謝罪する所町長(左)ら=1日、多古町役場
委託業者が不法投棄を行ったことについて謝罪する所町長(左)ら=1日、多古町役場

 産業廃棄物処理業の許可を受けていない業者に汚泥処理を委託したとして、千葉県警生活経済課や香取署などは1日、産業廃棄物処理法違反(委託)の疑いで、多古町と町の男性職員(45)=成田市=を書類送検した。

 書類送検容疑は昨年9月、同町十余三の町道側溝にたまった汚泥約3・6立方メートルの処理を、許可を受けていない建設会社「正栄建設」(同町本三倉)に委託した疑い。

 無許可で汚泥処理を受託し同月27~29日、同町飯笹にある第三者の畑に無断で汚泥約3・6立方メートルを不法投棄した同法違反(受託、不法投棄)の疑いで、同社と同社社長の男性(65)=富里市、同社社員の男性(55)=同町=も書類送検した。社長と社員は容疑を認めている。

 県警によると、町職員は同社に処理を委託したことは認めているが、汚泥について「水を含んだ土だと思った」と供述し、処理に許可が必要な産業廃棄物との認識にはあいまいな供述をしている。町民から汚泥を撤去するよう町に苦情があり、「早くやらなければいけなかった」などと話したという。

 許可を受けていないため同社が受託を一度断っていたことなどから県警は、町職員が汚泥と認識し、同社が無許可と知っていたとみている。同社は2014年に許可を失効していた。

 不法投棄された畑の所有者からの通報で警戒していた同署員らが同9月29日、ダンプカーで汚泥を捨てにきた同社員に事情を聴き発覚。社長が畑に投棄するよう指示し「せっかく町から受けた仕事だったのでやった。正規に受けたら利益が出ない」と話している。畑の所有者と面識はなかった。

 町職員は道路の維持管理などを担当。同町によると、汚泥処理委託は3社から見積もりを取り、提示金額が一番安かった同社と49万6800円で随意契約委託した。同町の随意契約は事業費が50万円以下。

◆「産廃の認識はない」 千葉県警との見解の違い強調 多古町

 産業廃棄物処理法違反(委託)の疑いで、多古町と町の男性職員(45)が千葉県警に書類送検されたことを受け、町は1日、町役場で記者会見を開いた。町側は「側溝に堆積していて業者に処理を委託したものは土砂であり、産業廃棄物とは認識していない」と県警との見解の相違を強調。一方で、委託業者が堆積物を不法投棄したことについて、所一重町長は「指導、監督方法などの見直しを図っていく」と謝罪した。

 町によると、町職員は住民から堆積物の撤去の苦情を受け、現地視察。側溝は畑に隣接しており、堆積物は降雨により畑から流れた土砂であると判断した。

 通常は「道路側溝に入ったものは基本的には産業廃棄物」とされるが、県の通知に「農業地内の道路側溝で、周辺の土砂のみが流入したことが明らかな状況では、法の対象外である土砂と判断して取り扱うことができる場合がある」との文言があるため、町は今回の堆積物を土砂と捉えた。

 町によると、町は県との協議を重ねてきたが、「側溝に入ったものは産廃」とする県とは見解の相違があったとし、主張は認められなかったという。

 業者が不法投棄を行ったことについては、町は5月に道路側溝の清掃業務の手順書を作成。発注から業務完了までの手順などを記し、再発防止につなげる。