広がれ障害者(アダプティブ)サーフィン 5月18日 いすみで初競技会 環境整備、パラ競技化も目標

アダプティブサーフィンの世界選手権で、ヘルメットを装着して波に乗る選手=昨年11月、米国カリフォルニア州(日本障害者サーフィン協会提供)
アダプティブサーフィンの世界選手権で、ヘルメットを装着して波に乗る選手=昨年11月、米国カリフォルニア州(日本障害者サーフィン協会提供)
初開催の競技会をPRする阿出川代表理事(左から3人目)ら日本障害者サーフィン協会の役員たち=12日、千葉県庁
初開催の競技会をPRする阿出川代表理事(左から3人目)ら日本障害者サーフィン協会の役員たち=12日、千葉県庁

 障害のある人がスポーツとして取り組むサーフィンに特化した国内初の公開競技会が、5月18日にいすみ市岬町の太東海水浴場で開かれる。ルールや用具の整備が進む米国を参考に、日本でも普及を図ろうと昨年発足した「日本障害者サーフィン協会」(事務局いすみ市内)が主催する。サーフィンは2年後の東京五輪で初実施され、千葉県の一宮町が舞台となる一方、パラリンピックには未採用。協会メンバーは「障害にかかわらずサーフィンを楽しんだり、パラリンピックを目指せる環境整備を千葉から広げたい」と意気込む。

 同協会の阿出川輝雄代表理事(75)=いすみ市在住=らが12日に県庁で記者会見し、詳細を説明した。

 阿出川代表理事は、米国在住だった1960年代から日本でのサーフィン普及に関わり、サーフィン関連事業の会社も経営。60歳の頃、脳内出血で右半身にまひが残り、波から遠ざかった時期もあったが、障害があっても個人やグループでサーフィンを楽しむ人たちを知り、後押しを受けて昨年10月に協会を発足した。

 海外では障害者サーフィンが「アダプティブ(適応)サーフィン」の名称で定着し始めており、昨年11月には他の理事らと米国で第3回アダプティブサーフィン世界選手権を視察。障害に応じたクラス分けや採点・安全確保の基準が確立され、会場での移動サポートや専用の競技器具も進歩し、躍動する選手たちの姿を目の当たりにして「日本でも発展させたい」との思いを強くしたという。

 東京パラリンピックでサーフィンは実施されないが、6年後のパリや10年後のロサンゼルス大会での採用に向けて「今が重要な時期」と位置付け。東京五輪でいすみ市の隣の一宮町がサーフィン競技会場として注目を集めることも生かし、両市町や日本サーフィン連盟と連携して今年秋に本県で第1回の全日本選手権を実施する目標も掲げた。

 いすみでの公開競技会には、阿出川代表理事や事故で左足が義足となってからサーフィンを本格的に始めた山本力也理事(46)=群馬県=ら10人前後が出場予定。順位は競わないが、世界大会に準じた採点は行う。

 看護師でもある和田路子理事(39)=一宮町=らによると、選手1人につき海と浜に計3人の支援スタッフを配置し、医師や看護師が待機するなど安全基準も世界大会にのっとる。車いす利用者らが砂浜を移動しやすい器具も準備して今後の大会のモデルケースにする考え。午後1~3時に開催で入場無料。荒天時は中止。

 日本サーフィンの黎明期から選手だった片桐茂理事(74)=千葉市緑区=は「日常のストレスを忘れたり、自然と一体になれるスポーツ。パラ競技採用を重要目標に、障害があっても順応して『波に乗りたい』という人たちをサポートしていきたい」と強調した。

 問い合わせは事務局(電話)0470(87)6073。


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