千葉文学賞に野口さん 児童三輪さん随筆川内さん 3賞最終選考、19日授賞式

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候補作を慎重に審査する選考委員たち=10日、千葉市中央区のホテル

 小説、随筆の優れた書き手の発掘を目指す2017年度千葉文学三賞(千葉日報社主催、千葉県・県芸術文化団体協議会後援)の最終選考会が10日、千葉市中央区のホテルで行われ、第61回千葉文学賞に船橋市、主婦、野口絵美さん(38)の「不帰橋」、第59回千葉児童文学賞に流山市、保育園絵画講師、三輪円香さん(58)の「ゆっくりのノブと鬼のちび六」、第12回千葉随筆文学賞に市川市、塾講師、川内加代子さん(66)の「鶴のいる小屋」が選ばれた。

 最終選考会には山本鉱太郎、松島義一、佐藤毅、大野彩子、大原祐治の5氏が出席。千葉文学賞5編、千葉児童文学賞4編、千葉随筆文学賞7編を厳正に審査した。

 千葉文学賞の野口さんの作品は、不帰橋(かえらずばし)と呼ばれる自殺の名所に足を踏み入れた26歳の女性会社員が、いかつい巨体と女性のような心を持つ漫画家「スミレさん」と出会い、死や人生について考えを深めていく物語。読者を引き込む文章力や、魅力的な登場人物の造形など称賛する意見が相次いだ。

 千葉児童文学賞の三輪さんの作品は、緩慢な動作が特徴の子どものノブと、小さくて気弱な鬼のちび六の友情を明るいタッチで描いた。個性がはっきりとしたキャラクターの作り方に加え、さわやかな読後感も受賞につながった。

 千葉随筆文学賞の川内さんの作品は、千葉市の「フラワー・ミュージアム」の展示を見たことを契機に、演劇作品「夕鶴」に挑んだ50年以上前の中学時代を回想する内容。映像的な喚起力や構成力に秀でているなどと評価された。川内さんは昨年度の同賞で佳作を受賞している。

 授賞式は19日に千葉日報社本社で開かれ、賞状と賞金(文学賞30万円、児童文学賞・随筆文学賞10万円)が贈られる。受賞作は本紙に全文掲載する。