「桜切らないで」 テニスコート計画に反発 市川

 桜の名所として知られる里見公園(市川市)の分園に、市が桜の木を伐採してテニスコートを新設する計画が明らかになり、地元住民らが反発を強めている。市は年度内の完成を目指し、8月にも着工する方針。住民らは「貴重な桜の木を伐採してまで、テニスコートを造るのはおかしい」と、憤っている。

 分園は、国府台2の大学に隣接する約4千平方メートルの敷地。大きな桜の木が何本も立っており、敷地の大部分を覆い尽くすほどの見事な枝ぶりだ。里見公園から徒歩10分ほど離れているが、花見の季節に開設される臨時駐車場のすぐ近くで、多くの花見客が訪れる。地元の商店会「根本発展会」で役員を務める鬼頭正さん(68)は「自治会や商店会のメンバーで毎年花見をしている場所。子どもの頃からある古い木が多く、大事にしてきた」と話す。

 市スポーツ課によると、新設予定のテニスコートは2面分で、面積は敷地のおよそ半分の1900平方メートル。テニスコートを造るため、桜を含む約50本の木を伐採する予定で、桜は約30本あるうちの10本程度が伐採の対象となる。

 同会役員の甲原澄江さん(70)も「貴重な木を切ってまでテニスコートは必要なものなのか。テニスをする一部の市民のために、地元住民が知らないところで計画が進むのは、とんでもないことだ」と語気を強める。

 市は、今年7月に開園予定の北市川運動公園(同市柏井町)にテニスコート(12面)を整備。これに伴い、2014年に策定した基本構想では、従来からある市スポーツセンター(同市国府台)のテニスコートを9面から3面に縮小する計画だったが、昨年末に「全廃」へ方針転換。一方で「国府台地区のテニス環境を残す必要がある」(同課)として、代わりに里見公園分園にコートを新設することにし、新年度予算で工事費など約8千万円を計上した。

 根本自治会の平野誠一会長(81)は「市は計画を再考し、テニスコートは代替地を探してほしい。分園は桜を伐採せず、現状のまま残すよう市に要望する」と反発。一方、同課は「分園以外に用地がなく、テニスコートを整備するには伐採せざるを得ない。桜の古木はなるべく残し、テニスコートと共存できるようにしたい」と、計画を強行する姿勢を崩していない。


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