手術ミスで大量出血 2リットル、患者に伝えず 千葉県がんセンター

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で昨年12月、食道がんを患う県内の60代男性が食道摘出の手術を受けた際、医師らが機器の操作ミスで止血に手間取り、約2リットルの大量出血があったのに、患者側に伝えていなかったことが20日、関係者への取材で分かった。県には医療事故として報告していた。

 関係者によると、センターは手術後、患者側に「止血に苦労した」などと伝えていた。手術後の経過は良好という。患者側は共同通信の取材に「病院からミスの話は全く聞いていない。今も治療を続けており病院を信じたい」としているが、重大な結果を招きかねないミスで、センターの説明責任が問われそうだ。

 センターの安全管理指針では、医療事故が発生した場合の対応として「過失の有無にかかわらず、患者や家族への誠実な対応が第一」として、速やかに患者や家族に状況を説明するとしている。取材にセンターは機器の操作ミスを認め「ミスと止血との因果関係はないと判断したため、患者側に伝えなかったが、確認したい」としている。

 執刀を担当した医師らは、手術の途中で出血があり止血用の機器を使ったが、本来は「凝固」にしなければならない設定を「電気メス」モードにしてしまい、約2時間後に気付くまで出血を止められない状態が続いた。

 センターは再発防止策を内部で議論。手術時に使った機器は「利用頻度が低かった」とした上で、医師や看護師らが使用方法を再確認した。

 センターでは2014年、腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた11人がその後死亡した問題が発覚。昨年12月にも検体を取り違え、女性患者の右乳房を誤って全摘出した事故が判明するなど、医療を巡る問題や事故が相次いでいる。


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