トド 無事に保護 シーワールドで看護へ 山武・九十九里浜

保護したトドをおりに収容。重機を使って運搬した=4日午後1時半すぎ、山武市蓮沼の蓮沼海岸
保護したトドをおりに収容。重機を使って運搬した=4日午後1時半すぎ、山武市蓮沼の蓮沼海岸

 山武市の九十九里浜に出現したトドの保護作業は4日午後に行われ、市民や報道陣が見守る中、市や「鴨川シーワールド」(鴨川市)の職員が網などを使っておりに収容し、シーワールドへ運んだ。当面シーワールドで看護するという。

 同日午後0時半ごろ、シーワールドから獣医師や海獣類などの飼育員計7人が海岸に到着。金属製のおりをつり下げた大型重機が現場に着くと、山武市などの関係者も加わり、手順を確認し、午後1時半ごろから保護作業がスタートした。

 市民ら約200人が見守る中、ウエットスーツ姿のシーワールド職員4人が二手に分かれ海に入ると、異変を察知してか、トドは突然起き上がり、逃げようとして海へダッシュ。職員が左右から網をかぶせ動きを封じ、他の職員も加わり押さえ込み5分程度で保護した。その後、おりに収容し重機でつり上げ、海岸近くに止めたトラックへと移動した。

 同日朝、トドは住民らを前に体を起こしたり、市職員や報道陣が近づくと向かって来るなど元気だったが、時間が経過するほど動きは少なくなっていた。昼前には、時折体にかかる波を避けて陸側に移動する程度でぐったりと砂浜に寝そべり、衰弱を心配する声が見物人の間から漏れていた。

 保護作業を手伝った市観光協会の田辺孝雄顧問(76)は「思った以上に元気。せっかく保護したのだから助かってほしい」と願った。また、石橋等市経済環境部長(58)は「市民から『早く助けて』などと言われており、やっと安心」と安どの表情。作業を見ていた大網白里市の主婦、白石由美子さん(63)は「早く体を治して、海に帰れるようになって」と話した。

 作業を指揮したシーワールドの中野良昭海獣展示2課長(45)によると、トドは雌の成獣で、「この時期のトドはロシア極東部沿岸にいるのが普通で、群れからはぐれた可能性がある」という。体長2~2・5メートル、体重は150キログラム程度と推測。骨が浮き出るほどやせて腹や背中には擦り傷がある。トドは同日夕、シーワールドに到着。健康状態を確認し、けがなどの治療を行うことにしている。


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