「来るか迷った」「声援こらえた」 延期要請の大型フェス開幕 スーパーソニック 千葉市で2日間

音楽フェスティバル「スーパーソニック」への入場を待つ人たち=18日午前、千葉市美浜区
音楽フェスティバル「スーパーソニック」への入場を待つ人たち=18日午前、千葉市美浜区

 千葉市美浜区のZOZOマリンスタジアムで18日、大規模音楽フェスティバル「スーパーソニック」が開幕した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市は延期や開催規模の縮小などを主催者に要請。しかし、主催者は酒類を会場で販売しないなど感染防止対策を徹底するとして、予定通り開催した。観客の一人は「参加するか迷った。終わったら真っすぐ帰宅する」と話し会場に向かった。

 フェスは19日までの予定で、主催者によると、18、19日いずれも県内外から1万人弱が来場する見通し。

 18日は台風14号による激しい雨が時折降る中、レインコート姿の観客が続々と来場。入場を待つ長蛇の列ができた。ゲート前の路上には一定の間隔でテープが貼られており、係員が「既に飲酒をしている方や、せきをしている方は入場できません」「前の人と間隔を空けて」などと拡声器で呼び掛けた。

 友人と来た東京都の男子大学生(19)は「参加するか正直迷った。人の多い場所は避け、終わったら真っすぐ帰宅する」と話した。県内の20代女性会社員は「高いチケット代を払っているので、最後のステージまで聴きたいけど、長くいるかずっと迷っている」と複雑な表情を浮かべた。

 お目当てだったグループのステージが終わり会場を後にした埼玉県の女子大生らは「初ライブを見られて良かった」と満足そう。「メンバーの名前を大声で呼びたかったけど、ぐっとこらえた。周囲も声を出さずに手を振っていた」と話した。

 同フェスを巡って、千葉市は、医療体制のひっ迫や県境をまたぐ人の移動を懸念して、開催の延期などを要請。主催者側が規模の縮小にも応じなかったため、後援を取り消した。開催中は市職員が感染対策がとられているかを会場内で確認し、終了後は周辺を巡回して速やかに帰宅するよう観客に呼び掛ける。

 会場周辺の商店街をまとめる振興組合の山根治仁理事長は「組合としては開催に賛成も反対もせず傍観の立場」と説明。ただ、市が後援を取り消したことで例年行っていた屋台の出店や、ボランティアでのごみ拾いなどの実施は見送った。

 主催者側は感染防止策として、感染発生に備え公式アプリに連絡先などを事前に登録させたほか、入場時の消毒や検温を徹底。1席空くよう座席を設置したほか、演奏中に観客同士で接触することも禁止した。会場内で酒類は販売せず、持ち込みも禁じたが、酒を飲みながら会場に向かう観客が散見された。

 主催者によると、この日は正午現在、約2500人が入場。会場を見回った市公園緑地部の石橋徹部長は取材に応じ「飲食スペースで消毒を担当するスタッフの配置場所が偏っている」として、改善を求めたことを明らかにした。その一方「ルールはおおむね守られていた」として「19日の公演でも観客一人一人がしっかりルールを守ってほしい」と訴えた。


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