房総の風土が生んだ歌人 古拙で真率、リリカルな声調 土屋文明・橋本徳寿編「古泉千樫歌集」 【故郷の本たちへ 河野良恒】(79)

 古泉千樫は伊藤左千夫とともに千葉県を代表する歌人であり、穏健で平明、明るく開放的な房総の風土性をひときわ強く感じさせる。42歳の生涯で千樫が詠んだ短歌は2155首だが、土屋文明と橋本徳寿編による『古泉千樫歌集』(岩波文庫、1958年)はこのうち980首を収録する。

 明治19(1886)年、千樫は安房郡吉尾 ・・・

【残り 1379文字、写真 1 枚】



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