浦安から青森へ歩き旅 原田俊美さん 震災10年、津波被害の海岸線たどる

ふるさとまでの歩き旅に出発する原田さん=15日午前10時ごろ、浦安市
ふるさとまでの歩き旅に出発する原田さん=15日午前10時ごろ、浦安市
ふるさとまで歩く原田さんを応援する地域の仲間たち=15日、浦安市
ふるさとまで歩く原田さんを応援する地域の仲間たち=15日、浦安市

 東日本大震災から10年を機に、浦安市の原田俊美さん(75)が15日、液状化が発生した同市から、津波が来襲した故郷の青森県おいらせ町までの約1100キロを歩く旅に出発した。足掛け約3カ月をかけて津波被害を受けた海岸線を中心にルートを組んだ。原田さんは「被災地はまだまだ復興半ば。自分の姿を見て元気になってもらえれば」と意気込む。旅の様子はSNSで発信する予定だ。

 原田さんはおいらせ町出身。浦安町時代に移り住み、78年に都内で印刷関係の会社を立ち上げた。経営者として活躍していた2011年3月に東日本大震災が発生し、おいらせ町に8メートルの津波が来襲。幸い死者は出なかったが、住宅の倒壊や船の損壊など大きな被害を受けた。

 翌年、帰省途中に訪れた福島県で目にした“異常な光景”も忘れられない。福島第一原発事故の影響で通行禁止になった道路には2、3メートルの草が生え「まるでジャングルだった」

 13年、会社を譲って仕事をリタイアした。14年に日本を歩いて縦断したニュージーランド人の著書に出合い感銘。「歩く姿を届けることで、被災地に元気になってもらいたい」と歩き旅を決断した。70歳を前にした15年5月に浦安市から歩き始め、おいらせ町までの約800キロを42日間をかけて完歩した。

 今回は被災10年の鎮魂が目的。前回は内陸部を中心に歩いたが、津波で甚大な被害を受けた海沿いの道を北上する。再チャレンジに向け、登山などトレーニングに励み体をつくった。

 15日は出発地である浦安市の美浜交差点に、近所の住民らが駆け付けエールを送った。原田さんは「海岸線を歩かないと自分の旅は終わらない。75歳の自分が歩くことで多くの人に頑張ろうと思ってもらえたら」と語り、笑顔で出発した。

 今後は一日20キロ前後を歩き茨城県水戸市や福島県相馬市、宮城県石巻市、岩手県陸前高田市などを経て、おいらせ町を目指す。福島第一原発付近は電車か車を利用するという。

 旅では体調管理に気を配り、GPSでの位置情報に加え、毎日の体調を仲間に報告。新型コロナウイルスの感染予防にも万全を期す。ワクチン接種のため旅を一時中断して帰宅するという。


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