


千葉県立四街道高校(渡辺範夫校長)の生徒が、特別支援学校の子どもたちへ掲示物を作ったり、手作りマスクを社会福祉協議会に寄贈したりして、ボランティア活動に励んだ。
四街道高JRC(青少年赤十字)同好会は、学校からほど近い県立四街道特別支援学校に、秋をテーマにしたかわいらしい掲示物を届けた。新型コロナウイルス禍で「非接触型」のボランティアを模索し、夏休み中におのおので仕上げた制作物を組み合わせて作り上げた。生徒たちは「気持ちの伝わる物を届けたかった」と話している。
JRC同好会は男女13人が在籍。数年前から地域の高齢者施設への慰問などボランティア活動の幅を広げており、支援学校とは昨年の文化祭を手伝った縁で、今回、同校から掲示物を初めて依頼された。
任されたのは、小学部向けの季節感のある掲示物(縦90センチ、横150センチ)。メンバーで話し合った結果、テーマを「みんなの秋はどんな秋?」に決め、模造紙や折り紙などで十五夜をモチーフとした満月の風景を作ることになった。
児童たちが秋をイメージしやすいように漫画の吹き出し風に読書とスポーツ、芸術、食欲のイラストを描く工夫も。掲示物制作のリーダーで2年の新美幸子さん(17)は「小学部の子たちに、かわいいなと思ってもらえるような感じに仕上げた」と説明する。
小学部の1階フロアの廊下の壁に掲示物を貼った3年の遠藤有真部長(17)は「僕たちのボランティアは、人と人とのつながりを大事にして取り組んでいる。そういう思いを感じてもらえたらうれしい」と振り返った。
支援学校の平川一夫教頭(55)は「とてもかわいい掲示物。子どもたちも喜ぶと思う。地域の学校間で連携できることは素晴らしいこと」と感謝した。
◆夏休みに布マスク製作 生徒41人、市社協へ63枚寄贈
1~3年生の有志41人は、「誰かのために少しでも役に立てれば」と、夏休みに布マスク63枚を製作して市社会福祉協議会に寄贈した。
毎年夏に各自で行っているボランティア教育の一環。今年は新型コロナの影響で地域の人に会う活動自体が中止になったため、生徒は夏休みに登校して慣れないミシンと格闘しながら幼児、子ども、大人(M、Lサイズ)の四つの大きさのマスク作りに励んだ。
3年生にとっては最後の活動。幼児用のマスクを縫い上げた及川明日香さん(18)は「手先が器用じゃないので立体的に仕上げるのが大変だった」。平野笑美さん(18)は「ミシンを使うのが久しぶりで苦労した。少しでも使いやすいマスクになればとの思いを込めた」と振り返った。
マスクを受け取った社協の矢口広見会長(83)は「思いがけずに貴重なマスクを届けてもらい大変ありがたい。心のこもったマスク。有効に使わせていただきたい」と感謝した。市内の介護施設や福祉センターなどで活用するという。