鎌ケ谷市民「四谷怪談」演じる 「お岩さん」の世界観表現 きらりホール“お化け屋敷”に

観客の目の前で繰り広げられる「東海道四谷怪談」。伊右衛門が結婚した女性がお岩さんに見え、斬殺してしまうシーン=19日、鎌ケ谷市
観客の目の前で繰り広げられる「東海道四谷怪談」。伊右衛門が結婚した女性がお岩さんに見え、斬殺してしまうシーン=19日、鎌ケ谷市

 鎌ケ谷市の市民会館を舞台にした“演劇鑑賞型のお化け屋敷”「東海道四谷怪談」が19日、同市のきらりホールで開かれた。出演するお化けを演じたのは公募で選ばれた市民。来場者は、同日に限り“お化け屋敷”に早変わりしたホール内を巡りながら、四谷怪談の世界を楽しんだ。

 市民に芸術文化を楽しめる機会や、ホールに親しみを持ってもらおうと市が主催。同市を拠点とする劇団「鎌ケ谷アルトギルド」の主宰、石井幸一さん(40)が演出を手がけ、公募で選ばれた小学生から60代の市民ら約20人が出演した。

 会場となったホールは、この日のみロビーから楽屋、練習室まで全てが舞台に姿を変えた。定員30人の公演が3回行われ、観客が数人のグループに分かれて会場を巡った。

 物語は、昨年閉館したという架空の劇場「きらり座」のロビーの探索から始まる。観客は江戸時代の劇作家、鶴屋南北と出会い「東海道四谷怪談」の世界へと誘われていく。ロビーから練習室、楽屋へと部屋を移るごとに場面が転換し、市民演じる「お岩さん」や「伊右衛門」が繰り広げる悲劇に立ち会い息をのんだ。

 参加した無職の女性(79)は「いつもとは違うホールで驚いた。子どもの出演者も長いせりふをしっかり演じていて、見応えがあった」と感心していた。

 お岩さんを演じた小学1年生の荻堂ちひろさん(7)と鈴木小春さん(7)は「動きが難しかったが、拍手をもらえてうれしかった」と声をそろえた。

 出演した市民の多くは演劇未経験者。昨年9月からのプロ指導を受けながら毎週稽古を重ねてきた。小道具や衣装も市民ボランティアの手作り。演出した石井さんは「当日までヒヤヒヤしたが、形になって良かった。お客さんに見られて俳優の姿になっていた」と振り返った。


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