“青春の地”で飲食店 南国ムード漂う内外装 御宿 桑原寿美さん(60)・晴子さん(58)夫妻 【房総移住スタイル】(1)

店内でサーフボードを持つ寿美さん(左)と晴子さん。天井や壁には大小さまざまなサーフボードが飾られている=御宿町
店内でサーフボードを持つ寿美さん(左)と晴子さん。天井や壁には大小さまざまなサーフボードが飾られている=御宿町
夫婦で仕上げた店。南国ムードが漂う
夫婦で仕上げた店。南国ムードが漂う

 恋人同士だった頃からサーフィンに通う御宿町で2013年、ハワイアンの飲食店「Hula-Hana(フラハナ)」をオープンした。営業前後の時間や定休日に波乗りを満喫する生活を描いていたが、「店の準備もあり、なかなか海に入れません」と夫婦は照れ笑いする。

 埼玉県内出身の寿美さん。若い頃にサーフィンを始め、交際していた晴子さんを誘い共通の趣味になった。青い海、白い砂浜が広がる御宿はお気に入りの場所だった。

 結婚して同県内で暮らし、仕事と子育てに追われて海とは疎遠な時期もあった。だが、サーフィンを再開し、15年ほど前、海に近い大網白里市内に家を建てた。御宿町に通っていると海岸から徒歩1分の場所に売り地を見つけ購入。寿美さんは早期退職して飲食店開業を考えた。フラダンスを学んでいた晴子さんに、ハワイ風の店にすることで協力を取り付けた。

 問題は開業資金。工務店に店の基本部分を建ててもらい、キッチンやトイレ、断熱材などは自分たちで取り付け、南国ムード漂う内外装に仕上げた。メニューはロコモコやパンケーキなどが並ぶ。

 14年には町内へ移住。地域に溶け込もうと美化活動に積極的に参加した。晴子さんは町商工会女性部に入り、寿美さんは地元の祭りに誘われて初めて神輿(みこし)を担いだ。「近所と仲良くなり、付き合いも増えました」とそれぞれ笑顔を見せる。

 店ではハワイアンキルトやフラダンスの教室も開かれる。「町内がのどかなハワイの雰囲気になれば」と夫妻。青春を過ごした場所がにぎわうように第二の人生を過ごしている。

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 千葉県南地域の自治体の多くが人口減少を課題にする中、都会に近く、自然豊かな環境の魅力に気付いた移住者たちの暮らしを紹介する。


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