78歳の介護士誕生 同じ目線でサポートへ 研修終えた中山嘉一郎さん

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介護職員初任者研修の修了証明書を手にして笑みを見せる中山さん=千葉市中央区
介護職員初任者研修の修了証明書を手にして笑みを見せる中山さん=千葉市中央区

 「78歳の介護士です」。千葉市中央区で行われた介護職員初任者研修の修了式を終えた中山嘉一郎さん=四街道市=の表情は晴れやかだった。「年を取っていることはデメリットばかりではない。高齢の自分にしかできないことがある」と福祉施設入居者と同じ目線に立った介護をしようと、大きな一歩を踏み出した。

 中山さんはハローワークを通じ、中央区の介護人材育成事業所「浩浩」(徳永泰成代表)が実施する「介護職員初任者研修・コミュニケーションスキル養成科」を3カ月間受講。座学や福祉施設での実習を通し、実践的な知識と技術を身に付けてきた。研修を修了すれば福祉施設に就業した際、食事やトイレの補助などが行える。

 中山さんが介護職を目指したきっかけは約3年前、ギター同好会で知り合った6歳年下の男性が認知症を発症したことだった。症状が進行し福祉施設に入居した男性が友人として唯一挙げたのが中山さんの名前。「話し相手だけじゃなくて生活の支援をしたい」と介護現場は全くの未経験だったが、思い切って飛び込むことを決めた。研修先を見つけるのには苦戦したが、同社と出合い念願の介護士への道が開けた。

 研修では初めて聞く福祉用語の連続に四苦八苦。一方で「実習はとても良い経験になった」と振り返る。「洗濯した衣類を積み重ねる順番にも決まりがある」。上から、タオル、肌着、上着…。この順番だと入居者がスムーズに衣服を着られるという。「介護職場で当たり前のことでも私にとってわからないことばかりだった」。ささいなことでも忘れないように施設職員の動作を逐一メモし、自ら実践して体で覚えた。

 現在は福祉施設への就職に向けて準備を進める。「入居者と自然に同じ速さとトーンで話せるよ」と自己PRする。中山さんの夢は福祉施設で働きながら得意のギターを使い入居者と合唱や漫談を披露すること。「相手が喜んでもらえることほどうれしいことはない」と表情を緩ませる。夢を見ることに年齢制限はない。