千葉市水道事業巡り綱引き 千葉市「統合へ協議開始を」 千葉県「方向性決めてから」

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 千葉市の水道事業を巡って、千葉県と市で綱引きが続いている。効率性などから県の水道事業への統合を求める市に対して、県は「他市と協議して県の事業全体の方向性が決まってから」と慎重な姿勢を堅持。日常生活に欠かせない安全な水を誰が責任を持って市民に供給するのか、最終的な結論は当分出そうにない。

 市水道総務課によると、市の水道事業は1969年7月に土気町と合併した際、同町の簡易水道事業を引き継ぐ形で発足。若葉区泉地区などにも順次拡張し、市の面積の約30%をカバーしている。しかし、給水地域の人口が当初の見込みほど増えず、給水人口は市全体の5%。残りの大半は県の水道事業の対象になっており、市が給水する水の約9割も県から“購入”している。

 事業地域の特性から経営効率が悪い上、料金を県に合わせて安く抑えていることもあり、発足直後から赤字体質。事業継続には一般財源からの補てんが欠かせず、2017年度は過去最高の約8億4600万円を繰り入れた。債務の返済などもあり繰入額は今後も増える見込みで、老朽化する水道管の本格的な更新時期も迫っている。

 熊谷俊人市長は昨年8月にあった森田健作知事との意見交換会で、市と県の水道事業統合に向けた協議の開始を要望。今月11日に開かれた県の水道事業に関する審議会でも統合の必要性を改めて訴えた。市議会も昨年12月の定例会で事業統合を求める意見書を全会一致で可決した。

 同課の担当者は統合の理由を「スケールメリットを発揮でき、事業の効率化が図れる」と説明。昨年12月に成立した改正水道法で水道事業の広域連携へ都道府県が旗振り役となることを求めていることも、追い風にしたい考えだ。「県は他の水道事業体との統合協議があるとしているが、千葉市との協議も並行してできるはず。市を後回しにする明確な理由はない。統合のコストを計算するためにも、協議のテーブルに着いてほしい」と、県のリーダーシップ発揮に期待する。

 一方の県水政課は「千葉市との話し合いを拒絶しているわけではない」としつつも、協議開始には慎重な姿勢を崩さない。県は千葉市を含む計11市で水道事業を実施。千葉市のように市と県の水道事業が併存している市も、県が全域を賄っている市もある。

 同課の担当者は「統合は料金などで事業全体に影響を及ぼす可能性がある。県と11市で今後の水道事業の方向性を固めてから、その方向性に基づいて個別の市との協議に入るべき」と段階を踏む重要性を強調。「千葉市の水道事業の経営が厳しいのは承知している。事務作業の共同化などの広域連携を検討している」と述べた。