ビリケン像を修復 流山・「文化遺産Lab.」代表社員 松井佐織さん(37) 【ひと模様】

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 流山市の利根運河沿いに1913(大正2)年に建立され、今年4月に壊されているのが見つかった幸福の神「ビリケンさん」像の修復を手掛けた。汚れも取り除かれた石像は来春、同市立博物館で展示される。

 山形県米沢市出身。大学と大学院で文化財の修復や保存のための保存科学を学び、県内外で資料の温湿度管理などに携わった。2年前、自身の業務を広げるため合同会社「文化遺産Lab.」を立ち上げた。

 ビリケンさんの石像は後背部が欠け、修復には3カ月半を要した。細かい破片もあり、質感や形状を頼りに根気よく接地箇所を探し、見つけたときは「ここだ」と勝ちどきを上げた。

 本体の石は経年劣化が進んでいるため、洗浄や補強に細心の注意を払った。歯ブラシや竹串を使った汚れ落としでは「一度にやり過ぎると風合いを壊してしまう。徐々に攻めていった」。補強では特殊な接着剤を筆から本体に染み込ませる作業を繰り返した。

 夫の敏也さん(49)は石像物の保存を専門とする筑波大教授で、連携して作業に当たった。

 流山市内に在住し、ビリケン像は身近な存在だ。「地域の文化財をもり立てる作業に加わり勉強になった。今後も幅広い依頼に応えられるよう準備したい」