同意なければ非公表 患者性別、診療科目も除外 千葉市病院局・医療事故で指針策定

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 千葉市病院局は、市立青葉病院(千葉市中央区)と市立海浜病院(同美浜区)で医療事故が起きた場合の公表指針を策定し、運用を始めた。策定目的に「病院運営の透明性を高める」と掲げながら、患者や家族の同意が得られない場合は事故自体を一切公表しないとした。事故が起きた診療科目や医療従事者の情報はそもそもの公表項目から除外した。「LGBT(性的少数者)への配慮」を理由に患者の性別を非公表としたことについては、熊谷俊人市長も疑問を呈した。

 指針では、病院側に過失があった医療事故で患者が死亡したケースや重大な障害・後遺症が出たケースについて、書面での患者側の同意を受け個別に病院名、事故発生年月、患者の年代、事故発生の経過・結果概要、再発防止策を速やかに公表。過失の有無は病院内の委員会が判断する。

 患者が同意しなかった項目は公表を見送り、事故自体を公表しないこともあるとした。件数は年1回のまとめで発表する。患者の性別もLGBTへの配慮を理由に非公表。同局経営企画課は「プライバシーの概念を広く捉え慎重な内容にした」と説明した。

 事故が起きた診療科目などを公表項目から外したことについては、同課は「医療従事者が特定されることになれば事故の報告がちゅうちょされ、再発防止が図れない恐れがある」とした。

 医療事故の公表基準は県病院局も昨年1月に県立6病院を対象に策定し、患者側の同意が得られない場合でも事故の種別など一部の情報を発表すると明記。診療科目も「原則公表」(同局)としており、判断が分かれた。

 市立海浜病院では2015年、4~6月の3カ月間に心臓血管外科で手術を受けた患者8人が相次ぎ死亡していたが、病院側は発表せず本紙の報道で明らかになった。