校舎建設に私費200万円 カンボジアの教育向上へ 香取中の吉川教頭

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校舎完成を祝い、テープカットする吉川さん(中央)=昨年12月、カンボジア・コンポンチャム州

 アジアの最貧国であるカンボジアの教育環境向上につながればと、香取市立香取中学校の吉川敏則教頭(58)が、同国コンポンチャム州の小学校校舎の建て替えに私費200万円を捻出した。恵まれない子どもたちのために一大決心をした吉川さんは「学習の基礎が詰まった場所が小学校。安心して勉強に励んでもらいたかった」と話した。

 校舎は昨年8月に完成した。昔からボランティア活動で人の役に立ちたいと思っていた吉川さん。きっかけはインターネットで同国の小学校の授業風景を見た時、校舎の天井や壁が崩壊する劣悪な環境を目にしたため。同国を旅行したことがある長女(27)から「子どもたちの笑顔が素晴らしかった」と、聞かされたこともあり、校舎建設に役立ちたいと思った。

 学習環境悪化の背景には、1975~79年のポル・ポト政権の政策がある。極端な共産主義政策を打ったポル・ポトは、学校教育を廃止し、校舎を破壊。教員や医師も国家の敵と見なし処刑した。そのため、同国では今でも急ごしらえの校舎が多く使われる。

 同国を支援する大阪府のNPO法人の協力を得た。州内の公立校「ウッドー小学校」の校舎6棟のうちの1棟を建て替え、「吉川ウッドー小学校」というプレートも掲げられた。鉄筋造り平屋建てで床面積は約150平方メートル。教室は三つあり、最大で約210人ほどが学べるという。

 昨年12月の完成式典には吉川さんも出席。国の教育関係者も招かれた。絵本150冊(3万5千円分)も寄贈した吉川さんは「機会があれば何回でも訪問したい」と満足げ。夢は大きく「カンボジアの子どもたちが無償で学べる学校造りも支援したい」と意欲を見せた。