顔認識でバス事故防止 運転手撮影、危険を予測 小湊鉄道とKDDIが実証実験

運転手の表情や挙動を計測する実証実験の実演=東京都内
運転手の表情や挙動を計測する実証実験の実演=東京都内

 路線バスの安全性向上に向け、小湊鉄道(市原市、石川晋平社長)とKDDI(東京都千代田区、田中孝司社長)は、商用化を視野に入れた危険運転予防システムの実証実験を行ったと発表した。車内のカメラで運転手の表情や挙動を計測し、運行記録と合わせ、事故につながる可能性がある状況を明らかにする内容。社内教育が効率的に行えるようになり、安全管理体制の強化が図れるという。

 近年、バス業界では運転手の疲労や健康上のトラブルに起因する事故が相次いでおり、対策が急務となっている。東京湾アクアラインでおととし9月、高速バスの運転手が急病で事故を起こした小湊鉄道も、これを教訓に安全確保に力を入れている。

 今回の実証実験は、KDDIが手掛けたシステムで安全性向上や商用化への見込みを探ることが目的。2017年5月の13日間、都市部を走る路線バス1台に設置したカメラで、運転手の感情や姿勢の変化を検知し、事故に結び付く可能性がある状況を絞り込んだ。

 測定の結果、対象期間中に290件の表情異常や顔の位置ずれを確認。小湊鉄道はこれまでに、指導のための情報収集を運転手への聞き取りに頼ってきたが、顔の画像データと運行記録の照合で危険が潜むケースがより明確になり、社内教育の質が向上したという。

 具体的には、停留所付近で顔のふらつきが頻発したケースに対し、飛び出しに注意するよう指導。直進路で表情異常が確認されたケースでは、ミニバイクの割り込みがあったことが分かったため、巻き込み防止や左右確認の徹底を呼び掛けた。

 今後について、小湊鉄道は「高速バスを含め、応用研究したい」、KDDIは「得られた結果を基に、商用化に向けてさらなる改善を進める」としている。


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