「天の石笛」に復興への願い 7日に絵馬奉納イベント 津波被害の旭・飯岡地区 【思いを刻む 大震災ちば4年】

「天の石笛」をモチーフに制作された石笛絵馬
「天の石笛」をモチーフに制作された石笛絵馬
海津見神社に設けられた石笛絵馬掛け=旭市下永井
海津見神社に設けられた石笛絵馬掛け=旭市下永井

 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた旭市飯岡地区に伝わる民話「天の石笛(あまのいわぶえ)」をまちづくりに生かそうと活動している市民団体が、石笛をモチーフに復興を願う絵馬を制作した。7日午前11時から飯岡漁港そばの海津見(わだつみ)神社で、石笛絵馬に願い事を書いて奉納する復興イベントを行う。

 天の石笛は、浜辺にあった穴の開いた石が、強い風が吹くたびに音を鳴らし、漁師に海が荒れることを知らせたという民話。「石笛の音を聞いたら漁に出るな」と言い伝えが残り、地元の人たちは、丸みを帯びた細長い胴体に穴が開いた石を見つけると、石笛として神社に祭るようになったという。

 同地区の玉崎神社にある江戸時代に漁師の網に掛かって奉納されたとされる石は「天の石笛」として市文化財に指定されている。

 絵馬は、石笛の形をした7~8センチの素焼き。屏風ケ浦付近の粘土が使われている。地元で石垣などに利用される「飯岡石」と同じ凝灰質で、石笛も飯岡石の一つ。海津見神社に新たに設けられた絵馬掛けに奉納する。

 同神社の歴史は奈良時代末期までさかのぼるとされ、「永井の妙見様」などと呼ばれ信仰されてきた。地元住民らが震災後、飯岡灯台のある高台へ続く神社脇の遊歩道を、避難路として整備しようと手入れしたのをきっかけに、同神社や石笛を生かした活動を始めた。

 同地区に工房を構え、石笛の民芸品も制作している陶芸家の近藤寧さん(53)は「子どものころ神社で遊んでいたし、石笛も祭られていた。地元の人には愛着がある場所。石笛の話を掘り下げていくと地域が分かり面白い」と話している。


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