古代から長尾家の歴史総括 四半世紀かけ史書執筆 千葉市緑区の長尾和平さん

「長尾一族一睡夢」を出版した長尾さん
「長尾一族一睡夢」を出版した長尾さん

 千葉市緑区の長尾和平さん(87)が、自らのルーツである長尾家の歴史をたどった「長尾一族一睡夢4」を自費出版した。仕事をリタイアするのを機に取り組み始めた大作で、古代、神武天皇の東征からの日本の歴史をたどりながら、各時代の長尾家の活躍を紹介する“史書”。「4」は鎌倉時代から南北朝時代の終わりまでを描いている。「5」で完結する予定で、長尾さんは「89歳までには、終わらせたい」と意欲を見せている。

 65歳で経営していた会社をたたみ、第2の人生のテーマに、ルーツ探しを選んだ。父親の里の鳥取県で、長尾家が長尾景虎(後の上杉謙信)で有名な越後(新潟県)から移り住んだことを知り、がぜん興味を深めた。九州から東北まで、全国各地の「長尾」を探し、長尾家や寺社、図書館などを訪ね歩いた。約10年を調査、研究に費やした。実家にあった江戸時代の書を読むため、古文書の解読も勉強した。

 「1」を出版したのは2006年。前半に長尾氏の全体像を描き、後半は神武の東征、壬申の乱など飛鳥時代までを総括し、既に名が出てくる長尾家を紹介。しかしこの「長尾」は、越後の長尾には連ならないという。奈良時代を書いた「2」で、長尾の祖、桓武平氏、平安時代の「3」では、後に長尾を名乗る鎌倉景政が登場する。

 今回出版した「4」で、鎌倉時代の「宝治の合戦」で、長尾氏は主筋が滅ぶ。しかし生き残った分家が、雌伏の時をへて、上杉家の重臣として頭角を現すまでを描く。

 これまでの取材、調査で「明らかにねつ造だった系図もあった」と長尾さん。自らの系譜も「絶対的に信用していいのかと問われれば、自信はない」という。

 長尾家に特化せず、歴史全体を追って書いた方法を採ったのには理由がある。「一つの姓名を追究する作業はとても複雑。スポットで書こうとすると、まとまらず、つながりができない」から。「日本史の中で、どう長尾家が生きてきたかを書きたかった」。

 「5」ではいよいよ長尾景虎が登場する戦国時代に入る。長尾の名を歴史上に残した景虎(謙信)の活躍がどう描かれるか楽しみ。また景虎没後の長尾家は豊臣秀吉に警戒されたために、姓名を変えるなど、徐々に減るため、江戸時代は全国各地に散らばった長尾家の動きを、紹介していくという。

 絵を描くのも好きで、県展に入選した経験もある長尾さん。「趣味が多くて、今でも時間が足りないくらい。忙しく動き回っているのがボケずに、健康を保てる秘けつ」と笑顔。「さすがに90歳になる前に仕上げないと難しくなる」とパソコンに原稿を打ち込む作業に余念がない。

 「長尾に縁がなくても、歴史に興味がある人に読んでいただければうれしい」。「4」は若干の残部がある。問い合わせは長尾さん電話、043(300)0243。


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