「わくわくしている」元鉄道少年が再生に挑む いすみ鉄道社長 鳥塚亮さん

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 経営難から存続可否が検証されている第三セクター会社に、航空会社幹部職をなげうって2代目の民間公募社長として飛び込んできた。背中を押したのは長年の夢への挑戦だ。

 「鉄道大好き少年」だった。父方の実家がある房総の海まで揺られた蒸気機関車、ホームで買ってもらった冷凍ミカン、学校に教科書代わりに持って行った時刻表を懐かしむ。

 就職先はJRの前身の国鉄と思っていたが採用停止期間で断念。しかし、航空会社に勤務後も鉄道への思いは収まらず全国のローカル線巡りへ。同時に運転席からの前面展望ビデオを制作する会社を興し、17年間でいすみ鉄道を含む500作品を発表。鉄道ビデオ業界大手にのし上げた。

 社長内定報道では、昔の知り合いからも激励のメールが舞い込み、取引先からは「実は枕木オーナーに申し込んでいるんだ」と話し掛けられたという。「いすみ鉄道はけっこう浸透しているんだとうれしかった」と話す。

 厳しい経済環境の中、どのように鉄道を経営再建に導くのか。その答えは「お金を追い掛けず、お客さまに喜んでもらえる提案をしたい」。日本の原風景を走る素材を生かし仕掛けを施すことが再生への扉を開くと考える。まずは都市部からお客を呼ぶためのキャラクター列車を仕掛ける。

 28日、大多喜町であった社長就任会見。「大変な任務を引き受けた」と口元を引き締めた後、あこがれの鉄道会社に入り「わくわくしている。楽しみだ」と喜びを隠せなかった。