組み合わせでアートに 色、形さまざまな押し葉 【藻じゃーずと学ぶ 海藻いろいろ 千葉県の豊かな海から】

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 生きものの名前などを調べたりする際に、その特徴をなるべく生きていたときと同じ状態で長く保存するためには「標本」を作製します。海藻の標本は古くから押し葉の形で作製されてきました。紙1枚ほどの厚さになって保管しやすく、水に戻してから顕微鏡で体の作りが詳しく観察できるなどの利点があります。

 海藻は、花を咲かせませんが、種類によって、体は緑、茶、赤など色とりどり、形もさまざまで、押し葉標本にすると大変美しいものも少なくありません。そのような海藻の色や形の美しさを生かして、海藻の押し葉標本を芸術的な「アート」として発展させたものが「海藻おしば」です。押し葉標本のように、海藻を1種類だけ紙に載せて、枝先まできれいに伸ばして作製したおしばも美しいものですが、さまざまな海藻を組み合わせて、海藻で絵を描いたおしばは、まさにアートです。

 この海藻おしばアートを考案された海藻おしば協会の野田三千代会長によると、海藻おしばアートを作製するのは格別難しいものではなく、一度やり方を習えば、誰でもできるものだそうです。実際、初めて海藻おしば講習を受けた方が小学生から大人まで、とてもすてきな作品を作っています。そして、さまざまな色や形の海藻を使っておしばを作ることで、多くの方が海藻の多様性を知り、海藻に、そしてそれを育む海に対して興味を持ちます。海藻おしばは海に興味を持つためのきっかけとしても最適なものと言えます。=おわり=

 (県立中央博物館分館海の博物館の菊地則雄・主任上席研究員)
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 企画展示「海藻いろいろ-千葉県の豊かな海から」は5月6日まで、「海の博物館」(勝浦市)で開催中。