ハバノリ、雑煮で有名 食用の採取多い千葉県内 【藻じゃーずと学ぶ 海藻いろいろ 千葉県の豊かな海から】

 海藻は人の暮らしの中では直接食用とされる他、食品添加物、化粧品、シャンプー、歯科で歯形をとるための印象材などさまざまな物に利用されています。ここでは、千葉県内で有名な食用海藻を紹介します。

 千葉県では、養殖されているノリをはじめ、ヒジキ、ワカメ、テングサなど多くの食用海藻が採取されています。その中でも名高いのは、お正月のお雑煮に入れる褐藻のハバノリでしょう。「一年幅を利かす」などの意味があるそうです。

 千葉県内でハバノリをお雑煮に入れる主な地域は、九十九里地方から西に向かって東京湾側の船橋市から市原市に至る地域と安房地方です。九十九里地方のある地域では、干したハバノリをあぶってもんで、アオノリとかつお節と一緒にお雑煮に入れるそうで、12月になると、お店にハバノリ、アオノリ、かつお節を適当にまぜたものが売り出されるほどだそうです。

 ちなみにハバノリは千葉県南部の海岸などで、毎年11~2月頃に採取されますが、11~12月に採取される「新はば」はとても高価で、10枚で5千円以上もします。海の博物館のある勝浦でも漁業者がハバノリを採取し、海苔のように四角い紙状に干して出荷します。

 ところが面白いことに、ハバノリを採取して出荷する勝浦では、お雑煮にはハバノリは入れずに、アオノリのみを入れるお宅が多いようです。同じ千葉県内でも、場所によってさまざまな海藻の食文化が見られるようで、興味深いことです。

 (県立中央博物館分館海の博物館の菊地則雄・主任上席研究員)


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