外房沿岸だけで確認 横綱級「レアもの」が生育 【藻じゃーずと学ぶ 海藻いろいろ 千葉県の豊かな海から】

 千葉県ではこれまで500種類以上の海藻の生育が確認されていますが、その中には、珍しい「レアもの海藻」もあります。

 その横綱級は、褐藻類のオオノアナメです。コンブの仲間のアナメ属というグループに属する種類で、世界でも千葉県のいすみ市から御宿町を経て、海の博物館のある勝浦市までの沿岸でしか見つかっていません。

 しかも、これまでに水深17~48メートルという深い所でのみ確認されていて、採集された個体のほとんどは漁業者が仕掛けた網に、ごくたまにかかってきたものだけという、まさに超レアもの海藻なのです。千葉県のレッドデータブックでは、最重要保護生物に指定され、絶滅危惧種とされています。

 日本産のアナメ属にはオオノアナメの他にアナメという種類があります。アナメ属は、本来寒い海にすむ海藻で、アナメは国内では青森県から北海道に広く分布します。

 しかし、岩手県から茨城県の間ではアナメの仲間の生育は確認されていないのです。千葉県にのみ生育するオオノアナメはその独特の分布からも、大変興味深い海藻なのです。

 その他の絶滅危惧種の海藻として有名なのは、紅藻類のノリの仲間アサクサノリです。昔は日本全国広くノリ養殖に使用されていましたが、生育地である内湾などの河口付近に広がる干潟が埋め立てなどで減少し、現在では日本全国で40カ所程度の生育地が知られているのみです。千葉県内では3カ所で生育が確認されています。

 (千葉県立中央博物館分館海の博物館の菊地則雄主任上席研究員)


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