銭湯に奇跡の一本松 「被災地忘れない」メッセージ 検見川「梅の湯」

奇跡の一本松の絵を紹介する長沼さん=6日、千葉市花見川区の梅の湯
奇跡の一本松の絵を紹介する長沼さん=6日、千葉市花見川区の梅の湯

 千葉市花見川区検見川町の公衆浴場「梅の湯」に、東日本大震災の大津波に耐えた岩手県陸前高田市の“奇跡の一本松”の壁画が描かれた。経営者の長沼二三六さん(67)は「被災した東北の人たちに、関東の我々が忘れていないということを伝えたい。被災地を忘れてはならないというメッセージを広めたい」と熱心に語っている。

 一本松の絵は、長沼さんの依頼で先月、現在は国内に2人しかいない銭湯背景画師の丸山清人さん(77)が描いた。震災被災地でボランティア活動を行ってきた“梅の湯ファンクラブ”の小藪太朗さんの写真を元に、女湯の壁にペンキで描画。男湯の富士山の絵とともに、1日で完成させた。長沼さんは「おそらく一本松の絵は、全国で1軒だけではないか」と話す。

 震災時は、近接する千葉街道の旧道沿いに大勢の帰宅困難者の列が続いた。その時は人々にトイレを開放。隣接する埋め立て地域が断水したため、市民に井戸水も提供した。

 銭湯画は毎年、塗り直している。長沼さんは震災から1年半がたち、風化させてはならないと一本松を描いてもらうことを思い付いた。現在は一本松を目当てに来る客も多く、「予想以上の反響で驚いた」。女湯に描かれているが、男性客のため、男湯にも壁画の写真を飾っている。


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