人つなぐ場で地域貢献 宣言下も料理で売り上げ増 SobaCafe3○1(そばカフェさんまるいち)(佐倉市)【ちばの元気企業】

壁一面に張り巡らされた映画のポスターやチラシ。うわさを聞きつけた業界関係者も足しげく通うほどだ=佐倉市ユーカリが丘6
壁一面に張り巡らされた映画のポスターやチラシ。うわさを聞きつけた業界関係者も足しげく通うほどだ=佐倉市ユーカリが丘6
ライブなどの企画全般を担当する代表の渡辺さん(右)と調理を任される妻、友里加さん
ライブなどの企画全般を担当する代表の渡辺さん(右)と調理を任される妻、友里加さん

 壁一面に張られた映画のポスターやチラシが目に飛び込んできて、言いようのないワクワク感がこみ上げてくる。佐倉市のライブカフェ「SobaCafe3○1」。迎えてくれるのはロック歌手の矢沢永吉さんのファンだというリーゼントの渡辺和崇代表(43)。名物のそば料理やカレーライスをはじめ、飲食や生演奏が楽しめるユーカリ地区を代表する人気店だ。

 1年に及ぶ新型コロナウイルス禍で疲弊している飲食業界。もちろん同店とて例外ではないが、調理担当の妻、友里加さん(36)の頑張りで料理のバリエーションを20種類近く増やし、テークアウトや料理宅配サービス「ウーバーイーツ」なども積極的に活用し、緊急事態宣言下の2月は前年度比3%増を売り上げた。

 起業のきっかけとなったのは、現在と同じ場所で両親が経営していた家業の酒店の一角で、見よう見まねで近しい人に振る舞っていた手打ちそばを褒められたことだった。実は勤め先の人間関係をきっかけに心身のバランスを崩し、うつ状態で仕事を辞めていた時だった。「人に評価されたことがうれしかったのかもしれない」(渡辺代表)。

 開店は2013年10月。店名の由来は家紋をヒントにしたもの。「三つの丸に漢字の一から取って『さんまるいち』。そばも食べられる店ということで、丸の部分は日の丸の赤色にした」。今でこそ街中でカフェチェーンを目にすることが増えたが、当時はまだ同地区でカフェが少なかったのも決め手となったという。

 今月開催したご当地アイドルのデビューライブなど週末に行う音楽公演は、事業の大きな柱の一つ。学生時代にバンド活動にのめり込んだ渡辺代表だが、同店で本格的なライブ公演などを可能にしたのは、開店から2年後に偶然来店したギター奏者の男性との出会い。「必要な音響機材のリストを作ってくれ、その使い方も教えてもらった」

 16年からは事業の幅を広げ、お笑いや落語、マジックショーのイベントの他、認知症カフェなども実施している。「利他心という言葉があるが、まずは地域貢献。人と人とが結びつけるような、そんな地域に根差したカフェになっていけたら」と意気込んだ。


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