PCR検査装置量産へ 千葉銀・DBJのファンド、松戸の製造会社に投資 生産工場を増設

記者会見で今後の事業展開を説明する田島社長(左から2人目)=千葉市中央区の千葉銀行本店
記者会見で今後の事業展開を説明する田島社長(左から2人目)=千葉市中央区の千葉銀行本店

 千葉銀行は、日本政策投資銀行(DBJ)と共同で設立した「ちば企業価値向上ファンド」の第1号となる投資先を、PCR検査装置などの製造販売を手掛ける「プレシジョン・システム・サイエンス」(松戸市)に決めたと発表した。新型コロナウイルス流行で検査装置の需要が急拡大しており、同社は量産化に向けて生産工場を増設する。

 千葉銀などによると、同ファンドは、取引先企業の中長期的な資金需要に応えるため、昨年9月に同行やDBJなどが計30億円を出資して設立した。金融機関の査定上、資本とみなせる資本性劣後ローンや優先株の取得といった手法で企業に投資する。

 プレシジョン社には、資本性劣後ローンで1億円を融資。このほか、千葉銀がとりまとめ役となり、みずほ銀行など計10行で組成した45億円の協調融資も決まった。千葉銀は同社と長年の取引があり、同ファンドと協調融資を併用する資金調達法を提案した。

 同社は、遺伝子やたんぱく質の検査・分析装置、抽出試薬などを製造販売。新型コロナの世界的な流行により、全自動で多量の検体に対応できる同社のPCR検査装置などの需要が急拡大し、「量産化が最大の課題」(同社)になっていた。

 投資を受け同社は、秋田県大館市に生産工場を新設。部材や人材の管理システムも構築する。

 千葉銀などは2月26日、同行本店で投資の概要と今後の事業展開を説明する記者会見を開催。同社の田島秀二社長は「パンデミック(世界的大流行)の時には徹底的にPCR検査をして陽性者を見極めるべき。パンデミックへの対応として自信を持って提案し、社会貢献を果たしたい」と力を込めた。

 同ファンドの今後の運用について、千葉銀の篠崎忠義専務は「1社あたり1億円をめどに投資していきたい。アフターコロナの中で事業を再転換する企業も出てくる。幅広く使えるようにして千葉の企業価値を向上させたい」と強調した。


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