液体ミルク「手軽」「便利」と好評 山武市など非常用備蓄 停電、断水続く県内被災地 【台風15号】

台風15号の被害を受け、乳児用液体ミルクを配布する市職員=13日、山武市役所
台風15号の被害を受け、乳児用液体ミルクを配布する市職員=13日、山武市役所

 今年3月に国内販売が始まった乳児用液体ミルクは、水が不要で常温保存できるため、非常時に役立つ。台風15号の影響で停電や断水が続く千葉県内でも、備蓄していた自治体があった他、避難所に支援物資として届けられた。乳児と避難した親からは「手軽に飲ませることができる」と好評だった。

 「いち早く導入していたのが役立った」。停電が続く山武市は、3月から非常用に460本をストックしていた。市は乳児健診などで備蓄していることを伝えており、9日の停電から4日間で、市役所を訪れた母親らに約400本を配布した。担当者は「数に限りはあったが、反応は良かった」と話す。

 液体ミルクは紙パックや缶入りで、哺乳瓶に移し替えるなどして0歳児から飲むことが可能だ。保存期間は半年から1年程度と粉ミルクより短いが、お湯に溶かして冷ますなどの手間がかからない。2016年の熊本地震をきっかけに注目が集まり、厚生労働省は昨年8月、規格基準を定めた省令を施行。国内での製造、販売が可能になり、各地で災害時用の備蓄が進んでいる。

 南房総市の自宅が停電と断水に見舞われ、避難所に身を寄せた保育士、渡辺奈緒さん(43)は、娘(1)に初めて液体ミルクを飲ませた。哺乳瓶が煮沸できなかったため、コップを利用。「味が慣れないみたいだったけど、ちゃんと飲んでくれた。簡単でとても便利」と感心した様子だった。

 昨年9月の北海道地震では、海外からの支援物資として液体ミルクが届いたが「日本で使用例があまりない」などと敬遠されることもあった。国内での普及を目指す「乳児用液体ミルク研究会」の末永恵理代表理事は「店頭に並ぶようになり、母親の抵抗感は以前より減りつつある」とし、「無菌でパックされているため、災害時など衛生状態が悪化する環境でも使いやすい。家庭や自治体で備蓄を進めるべきだ」と強調した。


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