木更津に電子地域通貨 全国初の信組と市、商議所連携 お金の“地産地消”で活性化

(仮称)アクアコインイメージ図(君津信用組合提供)
(仮称)アクアコインイメージ図(君津信用組合提供)

 君津信用組合(本店・木更津市)と木更津市、木更津商議所は24日、同市内の参加店のみで利用できる電子地域通貨「(仮称)アクアコイン」の運用に取り組むと発表した。千葉県内初で、3者連携での取り組みは全国初という。地域外への資金流出を防いで“お金の地産地消”を実現させ、木更津経済の活性化につなげる狙いだ。3月下旬から実証実験を始め、10月21日開催の「ちばアクアラインマラソン」に合わせ、今秋の本格稼働を目指す。

 同組合や商議所によると、東京湾アクアラインが着岸する同市は、対岸から訪れる観光客らが三井アウトレットパーク木更津など大型商業施設を利用する一方、地元商店での消費は冷え込み、市内全体への経済波及効果は限定的だった。地元住民が対岸の東京都や神奈川県に出掛けて買い物することも多く、“木更津経済の縮小”が課題となっていた。

 こうした状況の打破を目指して運用するのが電子地域通貨。全国では、飛騨信用組合(岐阜県高山市)が金融業界初というスマートフォンを活用した電子地域通貨「さるぼぼコイン」を昨年12月から商用化しており、同様のシステムを導入する。

 「アクアコイン」は、地元金融機関だけでなく、行政と商議所が連携するのが特徴。君津信組によると、各機関が個別に運用する事例はあるが、この3者が連携するのは全国初の取り組み。

 スマートフォンで専用アプリをダウンロードしてコインをチャージ。参加店でQRコードを読み込めば商品を購入できる。店側にとってはクレジットカード決済で必要なカードの読み取り機が不要で、初期投資費用がほとんど掛からない。

 さるぼぼコインは、チャージするとポイントが加算される。君津信組なども、現金や小銭が不要となる利点に加え、こうした利用者メリットを検討する。事業者間の電子商取引にも拡大させたい考えだ。

 また、ボランティアなどに参加した市民に市が行政ポイントを付与し、買い物に使える仕組みを作る他、市は、ポイントやコインを公共施設の使用料や地方税の納入に利用できないか検討する。地域自治の強化で行政コストを削減するとともに、コミュニティーの活性化にもつなげたいという。行政ポイント付与は、2019年度以降になる見込み。商議所は、参加店の拡大に取り組む。

 3月下旬からの実証実験は、同信組や市職員らを対象に利用者約1200人、参加店約100店で約3カ月間行う予定。今秋の本格稼働時には参加店を約300店にしたいという。

 同組合の宮沢義夫理事長は「お金の地産地消を実現させたい」、同商議所の鈴木克己会頭は「縮小した経済の輪をもう一度、拡大させたい」と意欲。渡辺芳邦市長は「地域経済を守るために必要なシステム」と説明した。


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