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「俺の知ってるジオン水泳部じゃない…?」“色物キャラ”で終わらない脇役たちの魅力

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【左】ジオン水泳部/制作:tsuta772【右】アッガイ/制作:えーちん (C)創通・サンライズ

 昨年、節目となる40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』は、2020年の今年「ガンプラ40周年」、来年は「ガンダムゲーム35周年」と盛り上がりが続く。ORICON NEWSではこれまで、創意工夫と自由な発想でガンプラの技術革新に貢献してきたモデラーたちを取り上げてきたが、「ガンプラ40周年記念」として彼らを改めてフィーチャーする。連載第4回目となる今回は、個性派揃いのジオン水泳部を制作したtsuta772氏とえーちん氏をピックアップ。脇役モビルスーツに命を吹き込む“匠の技術”について聞いた。

【赤鼻さんも歓喜!】このアッガイ…飛ぶぞ!? みんな大好きジオン水泳部、ジュアッグ、ゾゴック、こいつらガンダム倒しそう

■ジュアッグやゾゴックという“色物たち”の立体化に感激(tsuta772)

 これまで制作したガンプラの中で一番好きな作品は「MG MS-07B グフVer.2.0」だと話すtsuta772氏。その理由を聞くと、「ファースト直撃世代なので、子どもの頃からランバ・ラルが大好きでした。精神的に父親不在だったアムロに立ちはだかる“壁としての父親役”…。ガンダムとグフの一騎打ちや、ラルの散り際のカッコ良さなどを含め、グフには特に思い入れが強いです」と熱く語ってくれた。

 一方で、あくまで“脇役”としての活躍が目立つジュアッグやゾゴック、ズゴックなどの『ジオン水泳部』の制作にも力を入れている。当初は「ジュアッグとゾゴックは“色物キャラ”という印象でした(笑)」と豪快に笑うtsuta772氏。しかし、最近になってゾゴック、ジュアッグがキット化されているのを知り、まずゾゴックを作ったとのだという。

 「作ってみるとこれが、パーツもそんなに多くもなく細かくもない。組むのもの塗るのもラクなので楽しく作れました。ゾゴックを作った時に塗料が余ったのと、手首パーツも使い回せるというセコイ理由でMSVのジュアッグを購入して同色で作りました。それで、手首が余るからもう一体買って両方とも腕にしようとか、とにかく行き当たりばったりで作りました(笑)」

 最近は、インスタでも「#ガンプラ」のハッシュタグをつけて沢山のモデラーが写真をアップするようになった。tsuta772氏も積極的にインスタを活用するタイプだが、インスタを活用する際のこだわりについて聞くと、「フィルターやコントラストなどの調整と、トリミングはちゃんと考えます。以前はエフェクトアプリにハマっていました」と話してくれた。

 インスタ写真を撮る際の注意点としては、「自然光だと光の回り方がキレイになるので、そこは意識する必要がある」と強調。そして、「ただ、自然光だと日が暮れると撮れないという欠点もあります(苦笑)。なので、写真の加工に関してインスタは細かな調整を簡単にできるので非常に助かっています」と、ガンプラ撮影における“アプリ活用”の重要性を教えてくれた。

■求められる技術が多いガンプラジオラマは工作の“総合格闘技”(えーちん)

 そのあまりの躍動感に、「俺の知っているアッガイさんと違う」と、SNSでも話題になったアッガイジオラマ。この作品について制作者であるえーちん氏に話を聞いた。

 「作品名はギリシャ神話の海と地震を司る神の名である『poseidon』(ポセイドン)にしました。戦場を渡り歩いた歴戦の機体(アッガイ)の最終決戦をイメージしています」

 使用したキットは1/100 MGアッガイ。完成度の高いキットでギミックも盛り沢山なのだそう。可動域も広く、ポージングは可動範囲内で固定しているとのこと。ただ、ポージングも大事だが、本作のキモである“水飛沫”や“蒸気”の表現には悩んだそう。

 「水飛沫は油彩画用のメディウム類を、蒸気表現には綿を使いましたが、単なる綿に見えない様にするのに試行錯誤した思い出があります。ただ、実は“こだわり”という部分はありません。というのも、模型、ジオラマには柔らかい頭を持つ事が大事だと感じるからです」

 つまり、技法にこだわりすぎると“新しい発想”が生まれづらくなる、えーちん氏はそう感じているようだ。「ガンプラのジオラマ制作をしていると求められる技術が多く、工作の“総合格闘技”だと感じます。だから、一つひとつに挑戦して行く気力を保持することが、モデラーにとっての『苦労』と言えるかもしれませんね」

 実際、ガンプラ制作の途中で断念する人、買ったものの部屋の隅に“積みプラ”している人は多い。だからこそ、その完成度に関わらず「ガンプラを組み上げた際の感動は一入」だと、えーちん氏は言葉に力を込めた。

(C)創通・サンライズ