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「Jasmy League」設立、国内初ブロックチェーンによるコンタクトセンターアプリ開発へ

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「Jasmy League」設立会見に登壇した(左から)トランスコスモスの田淵和彦氏、ジャスミー 代表取締役社長の佐藤一雅氏、トランスコスモスの岩浅佑一氏 (C)oricon ME inc.

 IoT向けのプラットフォームおよびソリューションの提供を行うジャスミーは6月27日、ブロックチェーンとIoT技術を応用した事業創造とJasmy IoTプラットフォーム普及促進を目的とした組織「Jasmy League」の設立記者会見を開催。あわせて、顧客データの安全で効率的な利活用とデータの利便性向上を目的として、トランスコスモスほかJasmy Initiativeメンバーと国内初のブロックチェーンを活用した本格的なコンタクトセンターアプリケーション開発と実証実験の開始準備に着手したことを発表した。

【動画】「Jasmy League」発表会見の模様

■データの主権を個人に取り戻す「データの民主化」実現へ

 Jasmy IoTプラットフォームとは、個人データを企業から本来の持つべき個人の手に戻し、データの主権を取り戻すことで「データの民主化」を実現することを基本思想とし、データ運用を独自の発想と最新のブロックチェーン技術を用いて実現するプラットフォーム。企業も個人も個々のデータを公正に透明性をもって安全に利用することを目的とする。

 その第1弾の活用として実証実験に進んでいるのが、18年12月より事業検討を開始していたジャスミ―とトランスコスモス。コンタクトセンターサービス事業において、同プラットフォームを導入することにより、顧客とのコミュニケーション品質の向上および問い合わせ等に費やす時間の軽減、顧客とのコミュニケーションから生まれるログや対応履歴の利活用、蓄積され続けるコミュニケーションデータの安全な管理運営の実現をめざす。将来的には、顧客情報と、IoTによりネットにつながる顧客のデバイスなどを、企業の枠を超えて連動させ、そのデータを顧客自身が管理していくことが可能になるとする。

 ジャスミー 代表取締役社長の佐藤一雅氏は、これまでの企業主体のコンタクセンターのデータ管理から、同アプリケーションによる顧客選択型となるデータ民主化を掲げ、「いろいろな機器が便利になり、そこにデータが生まれ、それが活用されて社会が楽しくなっています。そのデータを個人が所有することで、そこに価値を生んでいきます。そのためのプラットフォームに、堅牢性がある非中央集権型のブロックチェーンが適しています」とコメントした。

 トランスコスモスのソリューション企画部 部長の岩浅佑一氏は「従来の企業主体のデータ管理から、顧客がデータの出し入れや削除を選択するコンタクトセンターへ。コミュニケーションが多様化するなかで、情報民主化へのチャレンジです」と意気込む。

 同実証実験は、現在クライアントとなる企業との参加交渉中。近々スタートを予定しており、当初はスマホアプリでの実施となり、先々はWEBブラウザでの運用も見据えている。

■IoT×ブロックチェーンが実現する未来

 続いて、「IoT×ブロックチェーンが実現する10年後の未来とは?」をテーマにしたトークセッションが開催された。小塩篤史氏(マサーチューセッツ工科大学スローン経営大学 客員研究員/データサイエンティスト)がモデレーターを務め、スプツニ子!(アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授)、ジャスミー 取締役副社長 CTOの吉田雅信氏らがパネラーとして登壇した。

 Jasmy IoTプラットフォームの取り組みについて、テクノロジーを活用した作品を手がけることが多いスプツニ子!は、「個人データのコントロールとマネジメントが世界で議論されているなか、日本でもデータの価値にやっと気づき始めました。この分野へのJasmy Leagueの着手には、どんな未来を見据えているのか、とても興味があります」。

 これに対して吉田氏は「日本の99.5%の企業は中小企業。そうした企業に参画していただき、ユーザーの衣食住動に密接して、生活のすみずみまで届くプラットフォームにしていかないとゴールではありません。ダイバーシティの概念を広げていきますが、日常の情報の連携をめざしています」とその構想を説明した。

 さらに、スプツニ子!は、Jasmy Leagueの掲げる“データの民主化”についても触れ、「個人データを預けた企業は、そのデータでサービスを作れたりする。データとはとても価値があるもの。それをどこで、だれが利用するかで社会が変わります。データを納税するようにシェアすることで、行政が活かしたりする社会も考えられます。未来の新しいお金になっていくのでは。データの活かし方をみんなで考え、デザインしていくのが、次の10年、20年になるのではないでしょうか」と語る。

 吉田氏はこの先の展開について「現段階ではコンタクトセンターでの活用に取り組み、次のステップでは電子機器だけでなく、あらゆるデバイスがブロックチェーンにつながるIoT向けコアサービスとなるスマートガーディアンを構想しています」と明かした。小塩氏は最後に「デジタルだけでないライフスタイルなど多様なデータを巻き込むチャレンジを進めてほしい。Jasmy Leagueのトライアルを見守っていきたい」と期待を寄せた。

 なお、Jasmy Leagueでは、API(Application Programming Interface:ソフトウェアの機能共有)の一部と、SDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を開発者に提供する「Jasmy デベロッパープログラム」を準備が整い次第、開始する予定。

 また、「Jasmy League」によるIoTサービス開発者育成活動の一環として、IoTサービスアイデア創出ワークショップ「Jasmy IDEATHON(アイデアソン)」を7月27日に実施することを発表した。