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『パーフェクトワールド』で難役を好演 SixTONES・松村北斗“演技力”武器に本格ブレイクの予感

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ドラマ『パーフェクトワールド』(関西テレビ・フジテレビ系)に出演するSixTONES・松村北斗の演技が、ドラマファンからも注目を集めている

 ジャニーズJr.内のグループ・SixTONESの松村北斗(24)が、俳優としても存在感を放っている。4月クールのドラマ『パーフェクトワールド』(関西テレビ・フジテレビ系)では、主人公・鮎川樹(松坂桃李)の同僚で10年来の友人である渡辺晴人役で出演。足に障がいを持ち義足で生活をおくる青年という難役を好演し、良い意味で“ジャニーズアイドルらしくない”気鋭の若手俳優然としたオーラを放っている。グループとしては若年層を中心にすでに一定の人気を獲得しているが、演技力を武器に「役者・松村北斗」としても一般層へと認知の拡大を続け、本格ブレイクの兆しを見せている。

【写真】主人公とヒロインの恋はどうなる? 最終話シーンカット

◆ファンだけでなく一般視聴者も虜に 識者や制作者も太鼓判

 漫画家・有賀リエ氏の同名コミックを実写化したドラマ『パーフェクトワールド』は、大学時代に不慮の事故により突然車いす生活を送ることになってしまった建築士の樹が、高校の同級生・川奈つぐみ(山本美月)と再会し、心を通わせていくことでお互いの欠けた部分を補い合う姿を描いたラブストーリー。松村が演じる晴人は、樹と同じ設計事務所の社員として働き、事務所のムードメーカー的な存在。一見、ただただ明るいイマドキの青年のように思えるが、主人公と同じく足に障がいを持ち日々片足に義足を付けて生活しており、心の奥底に生きづらさや不条理さを感じているという役どころだ。

 週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』のドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」では、「松村さんは義足が見えない場面でも義足を付けているような歩き方をしっかり意識されていて、セリフ回しも表情も良いです。アイドルだと知って驚きました」(40代女性/神奈川)、「役にすごくフィットしていて俳優としての才能を感じた」(30代女性/愛知)、「松村さんの自然体の演技がとても良い。ほかにもいろんな役を見てみたいと思った」(50代女性/東京)といったコメントが多数。SNS上でも同様の声が散見されている。

 コラムニストの木村隆志氏も、「セリフがないシーンでも“晴人はこんな人なのでは?”と想像させてくれるような、幅のある演技を見せていると思います」と松村の演技に太鼓判を押す。「障がいを持つ方の生活をリアルに描き、時には心が苦しくなるようなシーンもありますが、松村さん演じる晴人が物語に“明るさ”を与えています。加えて、主人公とヒロインらの恋愛がいわゆる漫画原作的でファンタジックな側面ある一方、晴人の恋愛はアプローチを含めなかなかうまくいきません。ですが、晴人は不安や憤りを心に秘めながらも、明るく生きようとしている。人生の“現実”の部分を松村さんが担っていて、作品の中で松村さんの存在が非常に効いていると思います」(木村氏)。

 また、同ドラマのプロデュースを手がける関西テレビ・河西秀幸氏も、『コンフィデンス』誌のインタビュー時、「松村さんはお芝居の勘が良く、自身に役を染み込ませて血肉として反映していくタイプの役者さん。ビジュアルも良いし声も良い。大注目の俳優でいずれ新たな時代の真ん中を張れる人物になっているのではないかと思っています」と、松村の演技をこのように高く評価していた。

◆常に注目されるも苦労人、努力や培ってきた経験が今につながる

 松村が所属するSixTONESは、2015年に結成。昨年、芸能界引退前に滝沢秀明氏が彼らの楽曲「JAPONICA STYLE」のMVをプロデュースしYouTubeで公開されるなど、ジャニーズ事務所のデジタル領域への挑戦を印象づけるグループとしても注目を集め、若年層からはすでに高い人気を誇っている。一方で、お茶の間への認知という点ではまだこれからという感じで、前出のドラマバリュー調査時には、『パーフェクトワールド』への出演をきっかけに初めて松村の存在を知ったというコメントが目立っている。

 SixTONESの結成前、松村は、中島健人、菊池風磨、高地優吾と共にジャニーズJr.のユニット、B.I.Shadowのメンバーとして活躍。09年には関西ジャニーズJr.の中山優馬を加えたユニット・中山優馬 w/B.I.Shadow、そして同グループにHey! Say! JUMPの山田涼介、知念侑李を加えたNYC boysを結成し、『女子バレーボール・ワールドグランプリ2009』のスペシャルサポーターに就任。同年7月15日に、中山優馬 w/B.I.Shadow/NYC boys名義でシングル「悪魔な恋/NYC」でCDデビューし、同年大みそかにはNYC Boysの一員として『第60回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たした。

 しかしその後、山田涼介と知念侑李はHey! Say! JUMPとして成功し、中島健人と菊池風磨はSexy Zoneとしてデビュー。いつも“注目の存在”でありながら、もう一歩突き抜けることができなかった。ただ、そうした下積みを重ねていることが彼の向上心を刺激し、彼の現在の実力になっているのは想像に難くなく、そしていま再び、彼はグループとしても個人としても、ブレイクポイントを迎えている。

◆風間俊介、生田斗真のように、“俳優枠”の先輩たちにも続いていける存在に?

 前出の木村氏は、「高身長でビジュアルもバツグンですが、良い意味で“ジャニーズっぽくない”雰囲気を持っている方。それは、アイドル好きの方だけでなく、ドラマファン、映画ファンなど、幅広い層から好かれる容姿のようにも思います。もともと俳優としての感性を持っていらっしゃったと思いますが、20代中盤に入って演じられる役の幅がどんどん広がっていると思うので、これから俳優としてもさらに伸びていくのでは」と解説する。

「松村さんが俳優デビュー間もなく出演した、TBS系『黒の女教師』(12年7月期)では、生徒役の“一番手”に抜てき。生徒役には、岡山天音さんや太賀さん、中条あやみさん、杉咲花さん、山崎賢人さん、土屋太鳳さん、千葉雄大さん、広瀬アリスさんなど、いま第一線で活躍する若手俳優が多数出演していましたが、松村さんは当時まだ俳優としてのキャリアが浅いながら、陰のある一番難しい役を演じていました。熱さを内に秘めた演技が非常にうまくて、すごく存在感がありましたし、この先、俳優として伸びていきそうだなとも感じていました」(木村氏)

 また木村氏は、現在のテレビの世界では「助演を務められる俳優」の存在が求められていると指摘。「現在のように、2番手、3番手でしっかりと経験を積んでいくことができれば、風間俊介さんや生田斗真さんなど、“ジャニーズの俳優枠”と言われる先輩たちに続いていけるような存在になるのではないでしょうか。アイドルも俳優も両立できるスケールの大きい人になる資質を持っている人だと思います」(木村氏)と予測している。

 松村はこの上半期、ファッション誌『ViVi』が“次に来る旬なイケメン”にフォーカスした名物企画「国宝級イケメンランキング」の2019年上半期NEXT部門で1位を獲得。また、前出の『黒の女教師』出演俳優の多くが俳優として成功を収めているところを見ると、ますます彼の今後の活動が楽しみだ。

文・衣輪晋一(メディア研究家)