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吉田拓郎ライブチケットを高額転売、悪質転売ヤーを詐欺罪で逮捕 新法対象外チケットで

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兵庫県警は6月24日、吉田拓郎のライブツアーのチケットを高額転売していた男性を逮捕したと発表

 兵庫県警は6月24日、吉田拓郎のライブツアー『吉田拓郎コンサート2019 -Live 73 years- supported by ブルボン』の、5月23日に行われた市川市文化会館大ホールのライブチケットを、チケット二次流通サービスにおいて高額転売していた無職の男性、河合和久(47歳)を、高額転売を目的としていること隠し、不正にチケットを入手した「詐欺罪」の疑いで逮捕したことを発表した。

【一覧表】何が法に触れるのか? チケット不正転売に関する法案概要(一部)

■「特定興行入場券」ではないチケットの入手につき「詐欺罪」を適用

 被疑者は、1月20日ごろにプレイガイドを通じてチケットの抽選に応募。1月31日から2月1日ごろにチケット1枚が当選し、2月2日には通常料金である1万2000円を支払い、同日にチケット二次流通サービスに8万3000円で出品。翌日には落札されていた。

 その後、被疑者は5月15日にチケットを受領していたものの、公式サイトにて、当日入場時に「チケット券面に印字された方の本人確認」を行うという案内を把握し、発送できずにいる間に、落札者が取引を行った二次流通サービスに問い合わせた結果、取引自体は不成立に終わり、落札者は5月23日の公演には行けなかったという。

 今回、兵庫県警はチケットを「財物」と捉え、取引自体は不成立に終わってはいたが、当選から転売サイトへの出品までの時間などを見ても、高額転売目的を隠し、不正に入手した「一項詐欺」(人を欺いて「財物」を交付させる詐欺)を適用。逮捕に至った。

 兵庫県警によると、被疑者は、5年前からチケット転売を行っていたと供述しているという。また金融機関での調査によると、無職であったにもかかわらず、少なくとも30年1月以降から現在までで、約2000万円の入金があり、生業としてチケットの不正高額転売を繰り返し行っていたとみられる。

■悪質転売ヤーは後を絶たず、「チケット不正転売禁止法」と「詐欺罪」の両方で立件へ

 なお、チケットの悪質な高額転売については、6月14日に「チケット不正転売禁止法」が施行。本件は新法施行後の初の逮捕事例となる。ただし、新法はコンサート等の「特定興行入場券」の「不正転売」および「不正転売目的の譲り受け」を禁止する法律となっており、新法が適用されるには、「特定興行入場券」とされるための様々な条件を満たす必要がある。今回の吉田拓郎のチケットは新法施行前に販売が開始されていたこともあり、「特定興行入場券」としては販売されていなかったため、新法の適用対象とはならず、「詐欺罪」での立件となった。

 「詐欺罪」に該当するとされたケースでは、ELLEGARDENのライブチケットの転売で起訴された悪質転売ヤーに対して、懲役2年6月、執行猶予3年とする判決も出ており、今後は詐欺罪に加えて、新法も適用されることになる。

 「チケット不正転売禁止法」を含む、コンサートの不正高額転売問題について、弁護士の東條岳氏(Field-R 法律事務所)は、「今回は詐欺の疑いで逮捕されたというケースであり、6月14日に施行されたチケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕されたわけではありません。一部には、新法施行前に駆け込みで高額転売を行うという動きもあったようですが、新法の施行前・施行後を問わず、詐欺での摘発は継続して行われるでしょう」と警鐘を鳴らす。

「チケット不正転売禁止法の施行により、特定興行入場券以外のチケットは高額転売してもよくなった、という誤った理解もあるようですが、特定興行入場券以外のチケットであっても転売目的を隠して入手された場合は、本件のように詐欺罪に該当するおそれがあります。特定興行入場券については、それが不正転売されれば当然にチケット不正転売禁止法違反に問われますし、転売目的を隠して購入申し込みをした場合には、詐欺罪にも問われることになります。誤解や中途半端な理解に基づいて、安易にチケット転売に手を出さないようにしなければなりません」(東條氏)