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来年30歳の西野カナ、“若者のカリスマ”紆余曲折の10年 「激動だけど、充実していた」

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デビュー10周年を迎えた西野カナ

 デビュー10周年を迎えた西野カナが、ベストアルバム『Love Col-lection 2 ~pink~』と『Love Col-lection 2 ~mint~』を11月21日に発売する。“2010年6月にアルバム『to LOVE』で週間アルバムランキングで1位を獲得。その後、「会いたくて会いたくて」(2010年5月19日発売)や「君って」(2010年11月3日発売)、「トリセツ」(2015年9月9日発売)などの歌詞が若い女性から共感を得ただけでなく、ファッションリーダーとしての一面もあり、ガーリッシュなファッションが10代から20代の女性から支持された。若者のカリスマ”“平成生まれの歌姫”として多くの人の心を掴んできた彼女は、来年3月で30歳を迎える。紆余曲折経た10年を振り返り、心境の変化や30代への想いを語った。

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◆激動だけど、すごく充実していた10年

――今年の2月にデビュー10周年を迎えました。どんな10年でした?
西野 激動でしたね。でも、すごく充実していた10年です。

――10年前は10年後の自分を想像していました?
西野 全然想像してなかったです。

――『NHK紅白歌合戦』に出場し、『日本レコード大賞』も受賞しました。
西野 本当に想像つかなかったですね。確かに、今年はホール&アリーナツアーを周ったことで全都道府県でのライブを達成したし、昨年はドーム公演もあったけど、どこか他人事のように思えて。終わってみて、ライブDVDを見返したときに、“すごい!”って思ったんですよ(笑)。そうやって大きな夢を達成できたということは、本当に予想外だったなって思います。

――振り返ってみて思い出す出来事というと?
西野 初めてのアリーナツアーの時はすごく緊張したし、大きい会場だと思って。衣装もその時の流行や自分の好みが入っているから、振り返ってみても懐かしいって思います。やっぱり毎年、ライブをしていたので、思い出はいつもライブに詰まっていたなという10年でしたね。

――ベストアルバムの制作にも反映されていますか?
西野 そうですね。この5年間のシングル以外はライブで思い入れのある曲を中心に選んでいて。曲順もセットリストみたいなイメージで並べたので、ライブを思い出す2枚かなって思いますね。

◆20代前半は恋愛で頭がいっぱいだった…今は恋愛も仕事もバランスを大事に

――ご自身にとってライブはどんな場所になっていますか。
西野 本格的なツアーをやるようになってからは、ライブで皆とどう楽しむかっていうのが大切なものの大半を占めるようになりましたね。もちろん、曲をゼロから作るっていうのは当たり前に大事なことだし、CDで聴いてもらうのも楽しみだけど、やっぱりライブで聴いてもらうっていうのが、自分の中では大切かなって思っていて。面と向かってじゃないけど、皆が目の前にいるっていうのが大きいなって思います。

――その思いが歌詞に現れたりもしますか?
西野 ありますね。例えば、「Stand up」や「Together」のように聴いてくれる方々にダイレクトにメッセージを送る曲も出てきたし、「I wanna see you dance」や「UNZARI」のようにライブで、皆で1つになれる曲もある。聴いてくれる人たちはどんな生活をしているんだろうとか、どんな恋をして、どういう上司がいてとか。そういうことを考えながら、皆の生活に近い曲を作れないかなっていうことをいつも思っています。

――この10年で歌詞の世界観も変わってきていますよね。
西野 そうですね。最初は「遠くても feat.WISE」で自身の恋愛体験を元にした曲を書くきっかけをいただいて。デビュー当時は大学生ということもあったので、当然、学校を舞台にした曲も多かったけど、だんだん仕事をしていることが想像つくような歌詞になって。同級生の子も新卒で入社してからの数年と、その後の5年ではキャリアをも立場も変わってくるから考え方や気持ちも変わってきて。私も同じように変わってきたら、これから先もまた変わるだろうし、「トリセツ」や「Darling」のように肩の力を抜いた歌詞を書けるようになってきたのも大きな違いかなと思いますね。

――恋愛観も変わりました?
西野 根本的なところは変わってないと思うのですが、20代前半の方が恋愛で頭がいっぱいだった感じがありますね。今は恋愛もありつつ、仕事もしながら、バランスを大事にするようになった気がします。

◆20代が終わる寂しさはあるけど、30代への期待の方が大きい

――『mint』にはプライベートな心境を綴った新曲も収録されていますよね。「Mama」は初めて母親をテーマに書いていますが、どうして今、このタイミングでしたか。
西野 やっぱり、この歳になったからかなって思います。普段照れ臭くて、なかなか素直になれないことが多いんですが、ふと、今描きたいなと思って。自分も歳を重ねると、もちろん親も歳をとってきて。今まではお母さんって言ったら本当に大きい存在だったけど、逆にお母さんから甘えられるようになったり、そういうのが可愛く見えたりして。社会人になってから、私から誘って旅行に行ったこともあったし。そんな思い出も交えながらできた曲ですね。

――今はどんな存在になっている?
西野 自分を育てて、導いてくれた、すごく偉大な存在なんだけど、時々、娘みたいに甘えるようになって。不思議な感じ。なんだか、可愛いと思う時があるんですよね。

――誰にも言えないことを泣きながら相談していた時期もありますよね。
西野 あります。でも、だんだん女の人はしっかりしてくるから。それに、頼ってもらったりすることが嬉しかったりするんですよね。

――そして、「25」「27」に続く、実年齢シリーズとして、「29」が。
西野 29歳は、最後の20代だからって意気込んでいたんですよ。でも、いざ意気込んでみても、何をしたらいいかわからず(笑)、普通の毎日を送ってきて。ただ、20代が終わってしまう寂しさはあるけど、30代への期待の方が大きくて。周りの人に「30代が一番面白いよ」って言われていたのも影響しているんですけど、1回、リセットできるような感覚もあって。30代に向かって、楽しく進んでいきたいなっていう曲ですね。

◆来年3月に30歳、若者との世代感の違いを感じる

――若者との世代感の違いについて書かれた歌詞があります。
西野 好きなミュージシャンやドラマの話が通じなかったり、自分が「え?~知らないの?」って言われていたことが、逆になってきた衝撃があって(笑)。私もそんな年齢になったんだなって思います。

――若者のカリスマで、平成生まれの歌姫と称された方が、そんなフレーズを歌うことにこちらも衝撃を受けました。
西野 “平成”も終わっちゃいますからね。デビュー当時は、“平成生まれがきた!”みたいなインパクトがあったのに、平成生まれも30歳になって。自分でも衝撃的ですが、もう25歳くらいから若者じゃないって感じていました。だって、23歳ぐらいの時に、道端で出会った高校生に「あ、西野カナ。思ったより若いね」って言われて。でも、ティーンの子からしたら、23歳でも十分大人なんですよね。

――20代はどうでした?名古屋の大学に通いながらの活動でしたが。
西野 楽しかったですし、最高でした。大学に通いながら活動していた頃は、東京と名古屋を毎日行き来して、今考えたら絶対にできないような大変な生活を送っていました。あんな体験ってなかなかできないから、良い人生の経験になったなって思うし、学生時代が一番楽しかった。今ももちろん楽しいけど、学生時代の友達に会うと全然変わってないことが嬉しくて。それは、学生時代が最高だったっていうことだなって思いました。体力的な辛さはあったけど、学校には行ってよかったと思います。

――10周年を経てこれからはどう考えていますか?
西野 全然想像つかないですね。今までも先のことは想像つかなかったので、その時その時に思うように生きていくと思います。30代は元気もあるし、ある程度の知恵もついているはずなので(笑)、賢く元気にいきたいなと思います。

(文/永堀アツオ)