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横山だいすけが感じた、歌い続けることの使命とは?「震災で“歌い方”も“生き方”も変わった」

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5月23日発売のシングル「笑顔をあつめて」でメジャーデビューする横山だいすけ

 昨年、NHK・Eテレの人気番組『おかあさんといっしょ』の「うたのお兄さん」を卒業した横山だいすけ。その際、ちびっこ達だけでなく一緒に視聴してきたお母さん達がショックを受け、悲嘆に暮れた「だいすけロス」の声がネットに溢れたのは記憶に新しいところ。そんな横山が、5月23日発売のシングル「笑顔をあつめて」でメジャーデビューする。そこで、ORICON NEWSでは卒業後の活動について横山にインタビューを実施。歌にかける意気込みはもちろん、自身の夢だった「うたのお兄さん」卒業を決意した理由。そして、「人生が変わった」という震災が与えた影響を明かしてくれた。

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■考え方の全てが変わった震災の影響…そして、歌うことの原点に立ち返った

――2008年4月から9年間にわたって「うたのお兄さん」をやってこられたわけですが、その中での苦労はありましたか?

【横山だいすけ】苦労というより、大変だったのが体調管理ですね。「うたのお兄さん」には代わりがいないし、子供たちに笑顔や元気を届けるときに、僕自身の体調が悪いと、その力も半減してしまいます。いつも全力で笑っていられるためにも、体調管理には気を付けました。

――9年間の活動で成長を感じたターニンポイントを教えてください。

【横山だいすけ】はい、東日本大震災をきっかけに、“歌い方”だけでなく“生き方”も変わりました。震災の後、いろんな番組が休止した中で、通常通りに放送したものの中に『おかあさんといっしょ』があったんですね。もしかしたら、こういう番組を見ることが辛いと思う方もいたかもしれませんが、変わらない毎日も必要なのではないかと…。いろんな人にとって空気のように存在する番組だし、実際に「当たり前だけど大事な番組です」っていう声もいただいて、僕も使命を感じました。その時、全国のお友達に何ができるんだろうと考えて、やっぱり「歌で元気を届けたい」と言う原点に立ち返りました。

――では、“歌い方”は具体的にどう変わったのでしょうか。

【横山だいすけ】お兄さんを引き継いだときはプレッシャーもあって、リズムや音程をしっかりとって、「歌をちゃんと届けなきゃ」、みたい想いが大きかったんですね。もちろんそれも大事だけれど、震災後は、音程やリズムがちょっと崩れたとしても、歌に込められた“想い”を届けることが“自分らしい歌”だと思うようになりました。

――では、想いがちゃんと届けられた…そう感じた瞬間は?

【横山だいすけ】「ぼよよん行進曲」という歌を歌ったときに、感覚としてその会場がひとつになった気がしたんですと。今ここに居る人たち、観客の方もそうですけど、裏で支えてくれているスタッフさんも含めてひとつになった感覚があって、そのときに、これが「音楽の力」なのかなって強烈に思いました。

■「うたのお兄さん」のチャンスを求めて毎年NHKに電話していた

――横山さんは「うたのお兄さん」をずっと目指していて、そんな中、劇団四季でも活動されていました。四季にいた経験はその後の人生に影響を与えたのでしょうか。

【横山だいすけ】客観的に考えて、四季での経験がなかったら「うたのお兄さん」にも受かってなかったと思います。それまで勉強していたクラシックは、立って止まったままで歌うものなので、四季に入って初めて、身体で表現しながら歌うことを学びました。それがなかったら、「うたのお兄さん」のオーディションでも、ステップひとつ踏めなかったと思います。僕の代名詞として、変顔ってイメージもあると思うんですけど(笑)、ミュージカルで全身を使った表現をしてきたからこそ、できたことなのかなって。

――「うたのお兄さん」を目指す中で、このまま夢が叶わないのでは…と、挫けることはありましたか?

【横山だいすけ】挫けなかった、ということはないですね。そのときどきの目標を叶えるために一歩ずつ歩んできたと思います。僕は不器用なので、普通の人が100メートル歩くところを10メートルしか進んでいないこともあります。それに、歌も特別秀でていたわけでもなくて、学校でもソロをやったことがなかったんです。でも、好きという気持ちは常にあって、その気持ちを大事にしてきて、気づいたら「ここにいた」という感じです。

――四季にいたとき、夢である「うたのお兄さん」になるため、どんな努力をしていましたか?

【横山だいすけ】「うたのお兄さん」になるためのチャンスがないか、NHKのお客様センターに毎年電話をかけていました。何十秒かで切られてしまうこともあったし、その中で一回だけ、ちゃんと内線で担当者につないでもらえたことがあって、それでチャンスが開けたんです。僕はもともと積極的な人間ではなかったんで、電話をするときはいつもドキドキでした。でも、ずっと「うたのお兄さん」になりたいということを周囲にも言っていて、周りの仲間が応援してくれたことも影響しています。

――言葉には“言霊”があるともいいますね。

【横山だいすけ】そう思います。だからこそ今につながっているので、夢や目標を口に出すのは大切だと思いました。

■歌の魅力を探し続ける“冒険家” 「経験がもたらす化学変化を楽しみたい」

――お兄さんを卒業して一年ですが、今はどんな気持ちですか?

【横山だいすけ】僕の小学校のときの夢は「冒険家」でした(笑)。「うたのお兄さん」を卒業して、別世界で冒険しているという感覚でワクワクしています。

――その冒険のひとつとして、歌手デビューがあると思います。

【横山だいすけ】5月に出るシングル「笑顔をあつめて」では、スタッフさんともいろんな話をしました。その中で笑顔をテーマにしようということになり、今まで聞いてくれてた人はもちろん、僕のことを知らない人にも“想い”を届けられる歌を目指しました。

――聞く人にとっては、“うたのお兄さん・横山だいすけ”の印象が強いかと思います。

【横山だいすけ】「うたのお兄さん」としてではなく、“横山だいすけ”として歌うということで、そのバランスをどうするべきかもかなり悩みました。歌い方に関しては今までと違うチャレンジをしているので、聞いてもらった人が“違い”をどう感じてくれるか楽しみです。

――今、冒険を楽しんでいる最中だとおっしゃいましたが、これからの夢は何ですか?

【横山だいすけ】辿り着きたい場所が二つあります。ひとつはNHKホール。ずっと夢見ていた場所で、初めて立ったのは大学生のとき。その後、劇団四季でも立って、「うたのお兄さん」でも立ちました。なので、いつかは単独のコンサートでNHKホールに立ち、自分がこのホールとともに歩んできた道を歌で表現するのが夢です。

――もうひとつの場所というのは?

【横山だいすけ】さいたまスーパーアリーナです。ここは、先輩のコンサートを聴きに行って、その大きさや雰囲気に圧倒されました。360度お客さんに囲まれて、声が波のようにうねって聞こえる、歌手にとって凄く特別な場所だと思いました。せっかく歌手としてデビューしたのだから、いつかそんな特別な場所で歌いたいというのが大きな夢です!

――ほかにチャレンジしてみたいことはありますか?

【横山だいすけ】今、子供向けのオリジナルミュージカルをやっていますが、それはずっと続けていきたいです。やっぱり子供と触れていないと、“横山だいすけ”でない気がするので。そのほかにも、ドラマやバラエティにも出させてもらっていますが、どんなことに挑戦しても、その経験は必ず歌に返ってくるので、今はその“化学反応”を楽しんでいる毎日です。